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合宿5日目



昨日日記に書いたことが頭から離れない


本当に魔法の日記なら今日、倫太郎と話すことになる




『んー、なんともなぁ』


「なにが?」


『!?、、り、りんたろ』


「ずいぶん悩んでるね」




ベンチに座ってスコアをつけていると


ドリンクを飲みにきた倫太郎に話しかけられた


私から誘うべき、かな




『倫太郎、あのさ』


「ねぇ、今日も話そうよ」




私の言葉を遮るように、倫太郎から誘ってきた


やっぱ日記の力…




『うん、私もそれ言おうとしてた

倫太郎と、話したいことがあるの』




少し、トーンを抑えてゆっくり、真剣な声で言う


すると、倫太郎は何を考えてるのかわからない顔をする


じっとこちらを見て、




「角名!さっさと戻れや!!」


「あ、うん、今行く」




コートから侑が叫んで倫太郎の視線から逃れる


今の、なんだったんだろう






「何話しとったん」


「んーいろいろ」






.









先に着いていたのは倫太郎だった


足を伸ばしてベンチに座って、猫背でスマホを弄っている




『今日は倫太郎のが早かったね』


「おつかれ、A」


『倫太郎もお疲れ様』




あと2日で終わっちゃうねーなんて言って隣に座る


そして他愛もない話をするんだけど


なんだか、ぎこちない




「…なに、緊張してるの?」


『えっ、いや、』




図星をつかれて、口籠る




「こないだのさ、」


『うん?』


「侑のどう思ってんのってやつ」


『あぁ』




その日のことを思い出す


今日はその日よりも少し肌寒いかもしれない




「俺、Aのこと好きだからさ

Aが侑のことずっと見てたの気に食わなかったんだ」


『へ、』




今言うの、ちょっと心の準備できてないんだけど


でも、やっぱそうだったんだって確信して


思ったよりも落ち着いている




「気付いてたでしょ?俺の気持ち」


『うん…気付いてた…』




眉を下げて優しく、悲しそうに笑う倫太郎を見て


ぽたぽたと涙が溢れた


なんで泣いてんだ、私


泣きたいのは倫太郎の方なのに




「泣かないでよ、泣いてほしくて言ったんじゃないよ?」


『…わかっとるッ

わたし、りんたろのきもちには、答えられんッ』


「うん、知ってた」




優しい声だった











「今日だけだから、」




そう言った倫太郎は私を包み込んだ


彼の胸で泣くだけ泣いた


頭の上で鼻を啜る音がした

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作者名:ちーーべすな | 作成日時:2024年2月23日 12時

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