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「なんや侑、調子悪ないか?」




スコアをとる私の横に立った北さんはこそっと私に話しかけた


確かに、スコアを見返すと侑は今日一点も得点してない


サーブもネットかホームランだ




『そう、ですね』


「侑にもなんかあるんは分かるけど、あのまま部活されてもこっちが迷惑やし、一旦注意しよかな」




強い。北さん強い。


そういうと北さんは侑に近付き、一言二言言うと


侑は最初こそ抵抗したが動かない北さんに観念したのか


体育館から出て行った


ドリンクは作ってあるし、タオルも準備し終わっている


ちょっとくらい抜けても大丈夫だろうか


そう思い、侑の後を追った




侑は外の木陰でボールをぽーんぽーんとオーバーであげていた


追い出されても、バレーしてる…


私は侑のそういうバレーに真剣なところが好きだ




『侑…?』


「……」




絶対に聞こえてるのに聞こえないふりをされた


沈黙が続く


蝉の声がうるさい




「…昨日、角名と話しとったやろ、夜」


『え……うん』




まさか、その現場を侑に見られていたとは


また長い沈黙…




「……付き合うたん?」


『えっなんで??』


「…最近話しとるやん、角名と。

なんやええ雰囲気やし」


『いや、倫太郎とは、なんも……』




ないとはいえない…


倫太郎が私に向ける視線には確かに熱がこもっていた


気付いていて、知らないフリをしてるのは私だ




『なんも、あらへんよ』


「…ほーか」


『なんで、侑がそんなこと気にするん』


「ええやん、俺かて色々気になる年頃や

ほれ、マネは戻り。俺も頭冷やしたら戻るわ」


『おん、わかった』




あれ、侑と話せてる…


日記に書いてから何日かたってるし、効果が切れたのかな?




1回、倫太郎と話そう


気付かないふりは無しだ


これで何がどうなる訳じゃないし、悪い方に転がるかもしれない


でも、倫太郎の気持ちを遊んでるみたいで嫌だ


私はやっぱり、









侑が好きや














__倫太郎の本音が知りたい




きっと、書かなくても聞けるし言ってくれると思う


保険だ。こんなものに縋ってまで倫太郎の気持ちを聞き出そうとしてる


自分のことが嫌いになりそうだ


けど、こうやって書かないと


言葉にしないと


倫太郎の言葉に向き合える気がしない




明日聞いて、返事をする


という決心が私には必要だった

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作者名:ちーーべすな | 作成日時:2024年2月23日 12時

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