魔法の日記【宮侑】 (ページ18)

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朝の一件からなんやかんやあって通常通りの練習に戻った

昼になり早めに抜けてお昼ご飯の準備をする

一から作るわけでなく食缶で運ばれてくるご飯を配膳しなければならないのだ

それでも、何回かは一から作らなければいけない時がある

人数分配膳したタイミングで皆んながぞろぞろと食堂に来た

「はらへったなぁ〜」

「A、配膳ありがとぉ」

「みつばちゃん！一緒に食お！！」

『ええけど、早めに切り上げてお使い行ってくんで私』

「やったら付き合うから！」

『北さん、行ってきます。1時間後には戻れるようにします。
あと侑くんも着いてきてくれるみたいなので、連れてきます』

「わかった、気ぃつけて行ってきてな」

バスもあるけど平日の昼間だと全然こないので歩いた方が早い

片道20分、他愛もない話をしながらスポーツ店に向かう

『これと、これと、、テーピングまだあったけど買っといて損ないかな…』

ぶつぶつと独り言を言いながら、必要なものをカゴに入れてく

粉は2キロの袋を３つ買う、重い…

「持つで」

『ありがと、あとこの棚の上の方のやつとれる？』

「ん」

そう言ってカゴを受け取ると、侑は私と棚を挟んで商品に手を伸ばす

ち、ちかい…

時々、侑の距離感に脳がバグる

やっぱ、侑にとって私って、女友達とか部員としか見られてないのかな

「これで合うてる？」

『うん…』

大方買い揃えて、学校に戻る

『侑ってさ、好きな子とかおるん？』

「なんで？」

『なんとなく…やって侑モテるやろ？気になるやん！』

自分から聞きたくないことを聞いてしまう

それでいるって言われたらどうするんだ

知りたくもないのに、自分の心が見透かされないように笑う

「……おるで」

『え…』

「おるよ、好きな子」

『そっかー！！やっぱ可愛いん？その子』

やめろ、聞くな

自分が苦しくなるだけだ

「かわええで、気もきく子で、優しくて、ちょっと泣き虫やけど、なんや芯のある子で」

『そっか…』

「なによりな、笑った顔がかわええねん」

あぁ、本気で好きなんだ…

侑の表情が好きで好きでたまらないって顔してる

勝てないやん、そんな子に

『その想い、伝わるとええな』

「…ホンマにな」

そこからはなんだか気まずい雰囲気が流れ無言が続いた

__部活に戻っても無言のままだった