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『全部食べちゃったけど花火まであと40分もある…』
「思ったより早いなぁ」
「じゃあ、俺とAでちょっと回ってこようかな」
「なんでみつばちゃんと角名でなん!?」
「俺らさっきまで場所取りしてたし、回ってないもん、ね?」
『あ、うん』
確かに花火まで時間があるならちょっと回りたいかも
「俺は腹一杯だからパス」
「おれも…」
食べ過ぎた銀くんと治くんはここで待つようだ
2人も場所取りしてれば十分だし
『侑くんも一緒にくればいいんじゃない?』
「ちょ、A…」
「ほんまぁ!!!」
大型犬みたい、尻尾が見える
そうして3人で屋台を回ることになった
「みつばちゃん何したいーー?」
『んー、ヨーヨー欲しいかも』
「ならあっちにあるよ」
改めて2人が並んで歩いているのを見ると
何というか圧巻
彼らは慣れてるのかもしれないが、ひそひそと周りから注目を集めている
うーーんすごいな
「俺ちょっと欲しいのあるから侑とAで待ってて」
「おんいってらー」
『倫太郎戻ってきたらさっきの場所戻ろうか、そろそろ時間だし』
先ほど取った赤いヨーヨーをバインバインさせながら侑くんとはなす
「のぉみつばちゃん、俺も呼び捨てにして?」
『侑くん呼びやなの?』
「ややのーて、普通に羨ましいやんか」
目はじとりとしていて、口もへの字になっている
そして、耳がとても赤い
『てれてんの?』
「……当たり前やろ」
『侑くんはみつばちゃん呼びなのに?』
「嫌か?」
『みつばちゃん呼び好きだけど、名前で呼んで欲しいなーって思う時はあるよ?』
「A…」
『……あつむ?』
「じゃあ、2人きりの時だけな」
__「あのひとかっこいー!!」
__「女の子と一緒やん」
__「えーでもびみょーじゃない??」
__「たいして可愛くないやん〜」
キャハハと笑う女の子の声が聞こえる
絶対私に言ってる
嫌だなこういうの
侑にも聞こえてるだろうし、それが1番嫌だ
侑も私が悪口言われるのが許せないのか彼女らに何か言おうとしたら
チリンッ
「ごめんね、どいてもらえる?」
別に避けてこっちにくればいいのにわざわざ女の子たちをどかしてこちらにこようとしている倫太郎
顔の上半分だけ隠れるように狐の面をしていて、耳からぶら下がる鈴だけが可愛らしく鳴っていた
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作者名:ちーーべすな | 作成日時:2024年2月23日 12時