その一言が 【稲荷崎】

7.部活 ページ8

治side




部活中、レギュラーで二つに分かれた試合形式の練習をしていた




北さんも、スタメンではなくてもレギュラーで主将だ




勿論、参加する




その為、Aが居なくなったマネの仕事を




愛美ちゃんに押し付ける形になり、




手伝うことすら出来ない




しょうがない事やけど、どうしようもない






途中で挟む最初の休憩




そこで俺らは固まった






__ゴワゴワのタオル




__いつもより薄いスポドリ




__何を行ったかすらわからないスコア






普段、Aによって支えられていた部活は




Aが居なくなったことによって、




こんなにも変わってしまった






愛「…あ、あの…ほんとうに…ごめんなさい」


北「どうしたんや？」


愛「私、今までA先輩に頼ってばっかで、1人で出来る段階までこれてへんくて…

それ、に、A先輩が居なくなってプレッシャーとか、その、緊張してしまって…

皆さんに迷惑かけてしもて、ほんまにごめんなさい」






皆んなが感じ取っていた違和感を




愛美ちゃんは包み隠さず、




きちんと謝ってくれた




でもさ、愛美ちゃん




俺、愛美ちゃんの事後輩(・・)として好きやねん




んで、結構絡んでたり、見てた自覚はあるんよな…




愛美ちゃん、一度でも









.









__マネの仕事、したことあるん？









.









その後も部活は歪みきった支えによって




なんとか終了した




今まで当たり前やった事が




愛美ちゃんを気にかけ、気遣い、手伝うように




なっていった




俺ら、バレー部を支える事が目的である




バレー部の(・)マネージャーが




今、支えられている




Aは経験者だったとは言え




俺たちに気を使わせる事は一切なかった









A、A…！




帰ってきてくれ




お願いや……






◇愛美side◇




ふふっ




私、演技もいけるわね…




マネの仕事が出来ないのは




どうしようもない事




ほんなら、それを





__利用しちゃえばええんよ





誠実さのアピールも大事デショ？




お陰で皆んな、私を気にかけてくれてる、気遣ってくれてる、手伝ってくれてる




私はここのお姫様




私中心に全てが進む




__私の理想の場所




これまでに、コレ(・・)をここまで現実的に表現出来ただろうか？




私の__





ﾁｯ、何でそんな不満そうな顔で私を見るん？

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