その一言が 【稲荷崎】

1.入部 ページ2

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『はぁ、なーんか、疲れちゃった』









遡る事_1年の2学期


前の学校で色々あって、私だけ親戚の所有するマンションに一人暮らし


前の学校では男子バレー部のマネを務めていた


全国にも出場するくらいにも強いところだった


転校先は稲荷崎高校


もちろん、ここもバレーの強豪校を謳ってる


タメには宮ツインズや体感おばけがいるのも知ってる


マネには興味があるけどやりたいとは思わない


バレーにいい思い出があるわけでもないし


稲荷崎でマネはやんないかな




のに！

なんなの！？

宮ツインズ！！

特に宮侑！！

転校してから1週間、何の音沙汰もないと思ったら


昼休みや放課後は必ず双子のどっちかが会いに来る


1週間、私のことを調べてたらしい


なんなら、逃げ切ったと思ったら体感おばけの奴がいたりした四面楚歌




バレー部のマネをやってくれ！とのことだが


やりたくないので、勿論拒否


のに、何度も何度も誘いに来る




侑「お願いや！！せや！バレー部見学に来ぃ！」




転校してから1ヶ月


宮侑に無理やりバレー部の見学に行かされた


そこには


みんなが一生懸命にバレーの練習をしていた




掛け声

ボールに触れる音

トスの上がる音

レシーブされる音

アタックされる音

ブロックする音




侑「どや、マネ、やらん？」


『……私、バレーが好きなの』


侑「…」


『やるのも、見るのも、聞いているのも

でも、前の学校でねバレーの綺麗だった思い出が汚されちゃったの

これ以上バレーを汚したくないの…

マネに興味はあるし、ここに連れてきてもらえてやりたいとも思えた

でも、私には無理だな』


侑「なんやねん、ソレ」


『え？』


侑「そんな、古い思い出なんか、汚れた思い出なんかいらんねん…

俺ら1年はまだレギュラーやない

でも、俺らは必ずレギュラーなって全国で優勝したんねん…！

稲美さんに、何があったんかは知らん

でも、これからは俺らのバレーでその思い出を塗り替えたる…！

俺らと、バレーせえへん？」


『…し、たい』


治「ほーん、なら俺も稲美さんの汚れてまった思い出塗り替えしたるわ」


角「俺も俺も」


侑「なら、決まりや

よろしゅうな、A！」



『…うん、よろしく！』



まさか人に話すとは思ってなかった事


ずっと閉じ込めておこうと思ってた物を解放する事で


稲荷崎でバレー部で宮と角名に銀と




塗り替える事は出来た









でも、そんなのは1年生の時の話

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