分岐点の鍵3 ページ7
『イマジンはみんな、消える』
カイの言葉がグルグルと脳内で再生される
消える？モモタロス達が？
知らない、聞いてない、そんな話
でも
……思い返せばその兆候は、確かに存在していた
「消えるんだよ、こんな風に」
一瞬で消えたビルに驚くハナ
その横ではAが眉間に皺を寄せながらカイを睨みつけていた
すると、良太郎に憑依していたハズのモモタロスが良太郎から弾き出された
「＿＿っと。良太郎…落ち着け！」
「モモタロス…どういう事？」
言葉に怒気を含めた良太郎はモモタロスに近付き掴みかかろうとその肩に触れる
すると途端に触れた箇所から砂状に砕け散っていってしまった
その手の中から溢れる砂を、良太郎は驚きの表情で見つめる
それはまるで、モモタロス達がいなくなるという暗示のような＿＿…
「…モモタロス達が、消える？」
「ハハハハッ！知らなかったぁ？
過去のない未来は存在できない。この時間が手に入らないなら消えるしかないだろう？ハハッ！
俺はアレ、特異点だからいいけど」
心底楽しそうに笑うカイ
モモタロスは苛立ちを隠せず、良太郎から視線を晒す
「…消える…？」
ポツリと呟きながら良太郎は溢れた砂の残る手を握りしめる
そこへタイミングよくデンライナーが到着した
満足したのか、カイはそのまま笑いながらその場を立ち去り、良太郎達は誰一人口を開く事なくデンライナーへと乗車した
過去へと向かうデンライナー車内
良太郎は難しい顔をし、モモタロスはその良太郎に背を向けている
ウラタロス達もどこか困ったような表情を浮かべながら車内の重い空気に耐えている
その重い空気を打ち破ったのは良太郎だった
「…ホントなの。消えるって」
「まぁ…僕たちも色々、ね」
「色々じゃ分かんないよ！！」
「＿＿ッ、今はそんなこと言ってる場合じゃねぇ！もう過去に着くぞ、良太郎！
お前しか戦えるヤツがいないんだ。気合い入れてけ！」
「…でも！僕たちの時間を守れば、モモタロス達が…ッ！」
隠されていた事実
否、いつかは気付かなくてはいけない事だった
イマジンのいる時間に繋がらないということ
今の自分達の時間を守るということ
一緒にいることが当たり前過ぎて忘れてしまっていたけど、モモタロス達は“イマジン”だということ
イマジンのいる未来
それはカイが欲している時間
そんな未来にはさせない
でも
そうなるとモモタロス達は
手から零れ落ちた砂のように、崩れて消えて
何も残らない＿＿？
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茉南(プロフ) - ちゃちゃさん» 読んでいただきありがとうございます！蟠りがなくなった彼らのやりとり、私も楽しんでます（笑）これからの二人の関係性もまた書いていくので楽しみにしていてください！ (2021年1月24日 17時) (
レス) id: a9242dc9a9 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃちゃ(プロフ) - もう、夢主と侑斗の関係性大大大好きです！これからも愛読させていただきます！！ (2021年1月24日 8時) (レス) id: f790642b1e (このIDを非表示/違反報告)
茉南(プロフ) - めめめさん» ありがとうございます！電王大好きで、とうとう手を出してしまったのですが…楽しんでいただけたのなら幸いです(^^)最後まで頑張りますので、これからもよろしくお願いします！ (2020年12月31日 21時) (レス) id: a9242dc9a9 (このIDを非表示/違反報告)
めめめ - 最近電王を一気見してどハマりした者です…！この作品も2日で一気に読んでしまいました…！とても面白くて私好みで大好きです！これからも投稿頑張ってください！応援しています！！ (2020年12月31日 3時) (レス) id: f4d936584d (このIDを非表示/違反報告)
茉南(プロフ) - 雪華さん» こんばんは！ポケモンはなんとなく知っていますが…何ですか？ (2020年10月22日 19時) (レス) id: a9242dc9a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：茉南 | 作成日時：2020年10月15日 13時
