それぞれの想い5 ページ21
自分がやらなければならない事
それが自分を、そして相手を苦しめる
どれが正解なの＿＿
「消えるかもしれないんだよ！！？」
「ッ…！」
良太郎の叫びにモモタロスは言葉を詰まらせる
目の前にいる良太郎は目に涙を浮かべ、震える声で言葉を紡いだ
「僕だってホントは戦いをやめて……でも僕は迷えない。迷いなんかない。
モモタロスたちが消えるかもしれないのに、僕はこの時間を守ろうって思ってる。今も。…なんでかな…」
自分の幸せと、相手の幸せが同じとは限らない
その事実がどうにも納得できなくて
これからどうしたらいいか分からなくて
だけど、みんな幸せになってほしいって気持ちがあって
誰かが犠牲になるなんてそんなの、いいワケないのに
そう強く思っていたハズなのに
侑斗にもずっとそう訴えてきたのに
Aもそう言い続けていたのに
＿＿自分はモモタロス達を犠牲にしようとしてきたことになる
気付いた今も、それは変わらない事実で
やり切れないこの想いは、一体どこにぶつければいいのか
「モモタロス達が消えるのはこんなに嫌なのに…ッ！
何でかな…ッ、なんで…」
堪え切れない想いは涙となって溢れ落ちる
どうすれば
どうやれば
正解に辿り着くというのか
「…良太郎。
＿＿上等じゃねぇか。迷う必要なんかねぇよ。消えるとか消えねぇとか…そんなのは後の話だ。俺が暴れたいってのも…まぁ本当だしな」
項垂れる良太郎の横に腰を下ろし、モモタロスは優しく語りかける
「ただ…まぁ、ちょっとでも守りたいと思うとしたらよ。
＿＿“今”ってヤツだ」
その言葉に良太郎は顔を上げ、モモタロスを見つめる
その瞳には驚きの感情が浮かんでいた
「つーか、お前運悪いからな。消えるとか言う前に腐ったまんじゅうでも食ってよぉ、ポックリかもしれねぇ。
＿＿そしたら、俺達も道連れだ」
「…ふ、ッ…」
モモタロスの言葉に、思わず良太郎から笑みが溢れる
それを確認してからモモタロスは言葉を続けた
「多分、カメ公達もそう思ってるぜ？だから…戦わせろよ、良太郎」
「モモタロス…」
モモタロスが消えるのを承知していたのは
僕の事なんて全然考えていないからなんだって
僕が皆と一緒にいるのが好きだって思っているようには思っていないんだって
“皆、自分が戦いたいから”ただそれだけなんだって
そう思ってた
でもそうじゃなかった
僕と一緒にいる”今”を守りたいと
皆もそう思っていると
想いは同じだと＿＿…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 55人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
茉南(プロフ) - ちゃちゃさん» 読んでいただきありがとうございます！蟠りがなくなった彼らのやりとり、私も楽しんでます（笑）これからの二人の関係性もまた書いていくので楽しみにしていてください！ (2021年1月24日 17時) (
レス) id: a9242dc9a9 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃちゃ(プロフ) - もう、夢主と侑斗の関係性大大大好きです！これからも愛読させていただきます！！ (2021年1月24日 8時) (レス) id: f790642b1e (このIDを非表示/違反報告)
茉南(プロフ) - めめめさん» ありがとうございます！電王大好きで、とうとう手を出してしまったのですが…楽しんでいただけたのなら幸いです(^^)最後まで頑張りますので、これからもよろしくお願いします！ (2020年12月31日 21時) (レス) id: a9242dc9a9 (このIDを非表示/違反報告)
めめめ - 最近電王を一気見してどハマりした者です…！この作品も2日で一気に読んでしまいました…！とても面白くて私好みで大好きです！これからも投稿頑張ってください！応援しています！！ (2020年12月31日 3時) (レス) id: f4d936584d (このIDを非表示/違反報告)
茉南(プロフ) - 雪華さん» こんばんは！ポケモンはなんとなく知っていますが…何ですか？ (2020年10月22日 19時) (レス) id: a9242dc9a9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：茉南 | 作成日時：2020年10月15日 13時
