それぞれの想い2 ページ18
＿＿コツコツ
背中合わせに置かれているベンチの片方に、侑斗はゆっくりと歩いていく
その気配に気付きバツが悪そうに絵を隠して、リュウタロスは侑斗に背を向けて座りなおす
侑斗はリュウタロスに背を向けて座り、静かに話しかけた
「…野上のこと、怒ってんのか？」
「別に。何で良太郎があんなこと言うのか分かんないし」
自分から愛理を奪ったヤツ
侑斗に対してその思いは少なからず抜けなくて、一度は悪態をついてみたもののポツリと本音を吐く
「…僕の事、いらなくなったのかな…」
「…逆だろ？」
「え…」
「逆だから、アイツもどうしていいか分かんないんだ…」
大切だから
ずっと一緒にいてほしいから
だからこそ、もどかしくてやりきれない
こんなにも、気持ちに変化が出るなんて思わなかった
今となっては、大切な人
「＿＿自分でも分かんなくって。大っ嫌いだし。
居なくなるのは、ちょっとって思うけど…でも、その方がいいはずなのに。
…今のまま変わってほしくない。変ですよね。本当に大っ嫌いなのに」
ハナは思いの丈を愛理にぶつけていた
“今のまま変わって欲しくない”
イマジンなんて、大嫌いだったのに
なのに同じ時間を過ごして、少なからず気持ちが動いて
だからこそ、こんなにも気になるし不安にもなる
「…コハナちゃんは、もうその人達の事が大好きだと思うなぁ」
「そんな…、全然」
「＿＿ホントに？
変わって欲しくないって思うくらい、その人達との今が大切って思っているのよね」
「…ッ、」
イマジンは嫌いだけど
モモ達と一緒にいるのは好きだから
皆と一緒に笑い合えるのが好きだから
ずっとずっと、これが続けばいいなぁなんて
＿＿そう、思ってた
「…………」
良太郎は当てもなく足を進めていた
＿＿いつかは直面する問題だった
でもそれはこの戦いが終わり、笑ってちゃんと“別れ”をする時だと思っていた
こんな風に、自らを犠牲にして戦って消えるのではなくて、だ
でも、本当は
“今のまま変わってほしくない”
あんなに大変で、嫌だと思っていたのに
いつの間にか彼らの存在はとても大きいものになっていた
モモタロス達と一緒にいるのが好きだから
皆と一緒に笑い合えるのが大好きだから
そんな時間が、ずっとずっと続けばいいなぁなんて
＿＿そう思うのは、罪ですか
「……嫌だ…」
良太郎は俯き、グッと掌を握る
嫌なんだ
君達が消えてしまうのが
君達が、居なくなるのが＿＿
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茉南(プロフ) - ちゃちゃさん» 読んでいただきありがとうございます！蟠りがなくなった彼らのやりとり、私も楽しんでます（笑）これからの二人の関係性もまた書いていくので楽しみにしていてください！ (2021年1月24日 17時) (
レス) id: a9242dc9a9 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃちゃ(プロフ) - もう、夢主と侑斗の関係性大大大好きです！これからも愛読させていただきます！！ (2021年1月24日 8時) (レス) id: f790642b1e (このIDを非表示/違反報告)
茉南(プロフ) - めめめさん» ありがとうございます！電王大好きで、とうとう手を出してしまったのですが…楽しんでいただけたのなら幸いです(^^)最後まで頑張りますので、これからもよろしくお願いします！ (2020年12月31日 21時) (レス) id: a9242dc9a9 (このIDを非表示/違反報告)
めめめ - 最近電王を一気見してどハマりした者です…！この作品も2日で一気に読んでしまいました…！とても面白くて私好みで大好きです！これからも投稿頑張ってください！応援しています！！ (2020年12月31日 3時) (レス) id: f4d936584d (このIDを非表示/違反報告)
茉南(プロフ) - 雪華さん» こんばんは！ポケモンはなんとなく知っていますが…何ですか？ (2020年10月22日 19時) (レス) id: a9242dc9a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：茉南 | 作成日時：2020年10月15日 13時
