ごめんなさいを言いたくて ページ50
パーティーも終わり夜も更けた頃
ウラタロスは一人、食堂車で珍しく酒を嗜んでいた
するとシュッとドアが開く音がし、その方向を見るとキンタロスが立っていた
「あれ、キンちゃん珍しいね」
「そういうカメの字こそ。…なんや、飲んでたんか」
そう言いながらキンタロスは持ってきた一升瓶をドンと机に置く
「キンちゃんも？」
「なんやお前もか。じゃあ、一杯つきあい」
ウラタロスはフ、と笑うと小さいグラスを二つ取って戻ってくる
キンタロスは酒を注ぐと二人で小さく掲げ、口を付けた
「…ん、うまい」
「今日は色々あったからねぇ。酒が染みるよ」
「ま、これからが正念場やな。良太郎に慣れてもらわんと」
「そうだねぇ…。正直、先輩もどこまでこれからの事を分かっているか……あれ？」
ウラタロスの声にキンタロスも振り向くと、食堂車の入り口にAが立っていた
その手には救急箱が握られている
「A、ちゃん…？」
「あの…。シャワー浴びて自分で手当てしようと思ったんですけど…うまくいかなくて。
えっと…、ウラさん。お願い、できますか…？」
申し訳なさそうに俯きながら話すA
ウラタロスは立ち上がるとAの横へ行き、ニコリと微笑む
「もちろんだよ。ほら…座って？」
コクリと小さく頷くAを誘導して椅子に座らせると、手当てを始めた
手早く消毒をし、クルクルと包帯を巻いていく
「…ん、傷口はキレイに洗ったみたいだね」
「あの、ウラさん……
＿＿…、ごめんなさい…」
「え？」
Aの突然の謝罪にウラタロスはもちろん、横で飲み進めていたキンタロスも驚く
Aはバツが悪そうに視線を逸らしながら小さい声で続ける
「昼間の…心配してくれていたのに、蔑ろにしてしまいました。周りが見えてませんでした…ごめんなさい」
ペコリと頭を下げるAに、二人は顔を見合わせる
キンタロスはクシャッと頭を撫でると顔を上げさせた
「なんや、そんな事か」
「え…？」
「誰も気にしてないよ？」
「でも」
「それだけ必死だったって事やろ。必死になってる奴を、誰が怒んねん」
あんな態度を取ってしまったのに
その理由すらも聞こうとせず、ただただ受け入れてくれる
そんな人達に私は＿＿
「…ありがとうございます」
「なにがや？ま、そんな気にせんと飲みぃ」
「ちょっとキンちゃん！まだAちゃん未成年だって！」
やっぱりちゃんと話をしないといけないと思った＿＿…
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茉南(プロフ) - はくさん» いつも読んでいただきありがとうございます(^^)ドキドキしてもらえるなんて…その言葉がすごく嬉しいです！これからの展開を書くのが私自身もとても楽しみなので、これからもよろしくお願いします！ (2020年1月23日 0時) (
レス) id: a9242dc9a9 (このIDを非表示/違反報告)
はく - 初めまして！いつも読ませてもらってます！とても面白くて毎回毎回ドキドキしながらどんな展開になるんだろう？と思いながら読ませてもらってます！これからも更新頑張ってください！楽しみにしてます！ (2020年1月22日 22時) (レス) id: 4d0b20ffc1 (このIDを非表示/違反報告)
茉南(プロフ) - 夢見る雀さん» いつも読んでいただきありがとうございます！そう言っていただけるのが励みになります！これからもよろしくおねがいします(^^) (2020年1月20日 11時) (レス) id: a9242dc9a9 (このIDを非表示/違反報告)
夢見る雀(プロフ) - ちょっと遅れましたが、続編おめでとうございます！これからも更新頑張ってください！応援してます！ (2020年1月20日 1時) (レス) id: fa272da316 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：茉南 | 作成日時：2020年1月14日 1時
