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「なぁ。ジョズだけズルくねぇ？」
聞こえた声に振り向くと、そこにいた人達に目を瞬かせた
「…みんな」
食堂の入り口
なんとも豪華なメンバーが勢揃いしていて、それだけのメンバーがいるにも関わらず歌に集中していた自分にも驚いた
いやホント、いつからいたんだろうか
「…“聴く者を魅了する歌”」
「え？」
マルコ兄の口から紡がれた聞き慣れない言葉に首を傾げると、すぐ横にいたジョズ兄がそれに応えてくれた
「お前の歌だ。夜更けによく歌っていただろう？最初は不寝番の特権と言われていたが、今じゃ歌声が聞こえ始めれば誰もが声を顰めてその歌に聴き惚れる」
「…へ？」
「お嬢。お前さんはこの広いモビーでは歌ってたところで響いてないと思ってただろ？むしろその逆でねェ。反響してよく響き渡るのさ。ついでに言えば、最初こそ口ずさんでた程度だったと思うが…気持ちが乗ってくるとなかなかの声量だ」
「……はぁ！？」
ちょっと待てちょっと待てちょっと待て！？
情報多過でパンク寸前だよ！
つまり
夜な夜な気晴らしに行ってたあの場所は、とっくに秘密の場所でもなんでもなく
これまた気晴らしに歌ってたアレは全員に漏れなく筒抜けだったと
そういや当たり前にエースがいた事もあったなぁ！！
つまりはそう言う事か！！！
「ッ、だーーーーーーーーーーっ！！！！！！！」
恥ずかしいやら申し訳ないやら恥ずかしいやら
いや8割以上は“恥ずかしい”が勝つのだけれどね！
誤魔化しきれない羞恥心に思わず叫んでみたけれど、ソレが消えるワケではないからただただ更なる醜態を晒してるだけである
なにこの詰んでる状態！！
「ははっ、めずらしー！Aが顔真っ赤にしてる」
「いやだって！！」
「俺ぁ見た事あるけどねェ。初めて会った時だ」
「それも小っ恥ずかしいから思い出さないでもらえるかな！？」
「え、なになに聞かせて！」
「ハルタ兄ーーっ！！」
「好きなんだよねぇ」
「なにが！！私を揶揄うのが！？」
「Aが歌う歌が」
「え、」
思わずピタリと動きを止める
目を丸くした私の視界に映ったのは、穏やかに微笑む兄さん達の姿だ
「別にさ。隠れて歌わなくてもいいじゃん。堂々と歌ってよ、俺達の前で」
「毎日ヤキモキするのは性に合わねぇんだ。俺達はお前の歌が好きなんだよ」
＿＿恥ずかしいやら嬉しいやら恥ずかしいやら
でも“嬉しい”が８割以上
今度は叫ぶんじゃなくて、歌おうか
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茉南(プロフ) - れなさん» 読んでいただきありがとうございます！4月から生活環境が変わり、作品に向かえる時間が大幅に変わってしまいました。それでも待っていただける事に感謝しながら最後まで書いていきたいと思います。温かいコメントありがとうございます(^^) (5月7日 23時) (
レス) id: a9242dc9a9 (このIDを非表示/違反報告)
れな(プロフ) - 本当に素敵な作品です大好きです。文才が天才すぎます。お忙しいとは思いますがお時間のある時に続きの更新よろしくお願いします。本当に大好きすぎるので完結までついていかせてください。 (5月7日 14時) (レス) id: 5c55cc0d78 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：茉南 | 作成日時：2024年3月6日 17時
