始まりの奇跡を目にして3 ページ8
「だって…！俺の運が悪いのはじぃちゃん譲りだって言うし、それでもじぃちゃんは強かったからお前も見習えって親父がうるさいし！…ッ、だいたい…俺の名前付けたの、じぃちゃんだし…」
そこまで一気に言うと、幸太郎はまた気まずそうに顔を俯ける
そんな幸太郎にAはそっと近付くと近くの席へと腰を下ろした
「…そんな風に言われたら、プレッシャーになっちゃうよねぇ。幸太郎くんの気持ちに、寄り添えてなかったね」
“ごめんね”と幸太郎の頭に手を添えながら謝ると、最初はポカンとしていた幸太郎だったが次第に頬に赤みが増した
慌てて添えられてる手を払うと目を泳がせながら口を開いた
「ッ、別に…！ってか、Aが謝る意味分かんないし！つーか子供扱いすンなよ！」
「あれ？ホント、なんで謝ったんだろ？なんか謝んなきゃいけない気がしちゃってさ。よく分かんないけど…ごめんね？」
「だからっ…！謝る意味が分かんないって！」
「あはは、ごめんごめん！」
「＿＿ッ、だから！！」
必死になる幸太郎と、どこか楽しんでいるようなA
2人のやり取りは周りの空気を和らげるような、そんな雰囲気を持っていた
2人を見る食堂車メンバーの瞳が優しいのが、何よりの証拠だ
「しかし…そない嫌か？幸太郎なんて、ええ名前やないか」
キンタロスがそう言うと、幸太郎は今度はキンタロスへと顔を向ける
瞬時に立ち上がると、キンタロスへと詰め寄った
「何言ってんだよ！俺の時代じゃ“幸太郎”なんて、「この時代で言えば＿＿」ッ、おい！」
突如口を挟んできたテディを幸太郎は慌てて止める
その先に続く言葉を良太郎やA、モモタロス達は期待しながら待った
オーナーがニヤリと口角を上げた所で、再びテディが口を開いた
「＿＿そう、“田吾作”だ」
「「…っ、ふ」」
そのまさかの回答に、良太郎とAは堪らず吹き出す
それを皮切りに食堂車は笑いの渦に包まれた
「＿＿っ、ほらぁ！幼稚園の時から自己紹介の度にコレなんだよ…っ」
笑い者にされて幸太郎が声を張り上げると、横で笑っていたモモタロスが同情するように肩に手を置いてきた
「ははっ、そりゃちょっとキツいなぁ。けど、ま。諦めろ！」
「ッ！うるさい！」
決して馬鹿にしているのではない
最初こそ態度が目についた幸太郎だったが、今は違う
一緒に戦いあった、歴とした“仲間”なのだ
互いが互いを受け入れた、その瞬間が“今”だ
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茉南(プロフ) - Aさん» 読んでいただきありがとうございます(^^)ラストまでどうなるか…楽しんで読んでもらえるよう頑張っていきます！亀更新ですが、これからもよろしくお願いします！ (10月24日 0時) (
レス) id: a9242dc9a9 (このIDを非表示/違反報告)
A(プロフ) - 侑斗オチだと嬉しいです！いつも楽しく読ませてもらってます！完結までがんばってください (10月23日 0時) (レス) @page34 id: f296b2ed74 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：茉南 | 作成日時：2023年3月9日 0時
