始まりの奇跡を目にして2 ページ7
“この奇跡”が長い時間をかけて今の時間を作り
未来の時間を紡いでいるのだ、と
「…ぁあーーーっ！！！なにアレぇ！！」
その現場を目にしたリュウタロスの声が響く
深編み笠の侍と、愛理に似た女性＿＿お雪が簪を手に互いに見つめ合っていたのだ
「そうか…！このイベントであの2人が出会って、それが…良太郎の先祖、って事かも」
「えっ…？」
ウラタロスの言葉に、良太郎は再度窓の外の2人へと視線を向ける
確かに他人とは思えない、愛理によく似た女性だ
ともなれば、あの深編み笠の侍は＿＿
「……侑斗…」
皆と同じように窓の外を見やりながら、Aは小さく呟いた
あの侍が、侑斗の先祖なのだろうか
憶測だがそれはもうほぼ正解といったところだ
今のあの2人によく似た、窓の外の2人
やはりあの2人が結ばれるのは運命なのだと納得すると同時に少しだけ、本当に少しだけAは胸が痛んだ
「なるほど…それを特異点である良太郎くん本人に消させるつもりだったんですねぇ。
“自分で自分を消滅させる”…確かに、時間がひっくり返る程の破壊力はあります」
「そっか…。じゃあ、あの人達が良太郎に繋がって…それから」
ハナの言葉に、全員が導かれるように振り返る
そこには、未来の時間を生きる幸太郎の姿
ひとつの奇跡が巡り巡った結果が、確かにここに存在している
これも、“守られた未来”のひとつだ
デンライナーは汽笛を鳴らすとゆっくりと動き出す
町の人達はまた歓声を上げながらそれを見送った＿＿…
「＿＿…なんか、変な感じだね。孫とかって実感わかないし…」
守った時間から走り出したデンライナー車内
一息ついて、良太郎は徐に幸太郎へと声をかけた
死郎の一件で、本来なら会うことのなかった未来の孫である幸太郎との対面
全てに片がつき、ようやく落ち着いて面と向かって話をする事ができたのだ
ぎこちなく話しかける良太郎に、幸太郎も同じく気まずそうに視線を逸らしながら応えた
「こっちだって…ッ！…あんま、じぃちゃんと会った事ないし…」
「あぁ！？何だよそれ！」
幸太郎の言葉にモモタロスがいち早く反応する
良太郎とAはモモタロスのその反応に小首を傾げていると、横からウラタロスも口を挟んだ
「それでよくあそこまで悪く言えたね！？恨みがあるとか」
「えっ、恨み？」
お人好し、と太鼓判を押せそうな性格の良太郎が恨まれるとはこれ如何に
幸太郎の予想外の言葉にAは驚いて目を瞬かせた
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茉南(プロフ) - Aさん» 読んでいただきありがとうございます(^^)ラストまでどうなるか…楽しんで読んでもらえるよう頑張っていきます！亀更新ですが、これからもよろしくお願いします！ (10月24日 0時) (
レス) id: a9242dc9a9 (このIDを非表示/違反報告)
A(プロフ) - 侑斗オチだと嬉しいです！いつも楽しく読ませてもらってます！完結までがんばってください (10月23日 0時) (レス) @page34 id: f296b2ed74 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：茉南 | 作成日時：2023年3月9日 0時
