始まりの奇跡を目にして1 ページ6
「＿＿いいんですか？象だと思ってますよ？」
心配そうに外を見やりながらナオミはオーナーへと疑問を投げかける
問われたオーナーは涼しい顔でそれに答えた
「仕方ありません。象が暴れて引き返してしまったんです。この騒動を感じ取ったんでしょうねぇ。敏感ですから。監視者の方も何も言わないですし、問題はないでしょう」
「いや、権限あるのは私じゃなくてオーナーでしょう…」
突然振られた言葉にAは苦笑いを浮かべた
時の運行の監視者には、何の権限もない
運行の乱れを見つけたら報告するのみで、それをどうこうするのはオーナーであり、パスを持つ者である
それに、この時間はカメラのような記録媒体がない時代
多少史実と違っても影響はなさそうだ
現にデンライナーを見つめる町の人達の表情はたくさんの笑顔で溢れているのだから＿＿
「…結果的にはAが一番の負傷者になっちゃったね」
「ん？まぁ、しょうがないでしょ。皆みたいにアーマーで守られてるワケじゃないし、戦いに行ってるのは自分の意思だし」
生身で戦うAはどうしても傷が残りやすい
良太郎が心配そうに包帯が巻かれたAの腕を見やれば、Aは気にするなと笑顔で返した
“慣れているから”とうっかり口を滑らせた事によって、ウラタロスから説教を受けるハメになるとは露ほど思っていなかったようだ
珍しく熱くなるウラタロスと、身を縮こませて謝り倒すAの様子に食堂車メンバーはそれを微笑ましく見つめるのだった
「……あーー！！お姉ちゃんのそっくりさん！！」
「え！？愛理さん！？」
リュウタロスの叫び声にそれぞれが窓の外を見やれば、そこには町の人達と同じくデンライナーを旅籠の2階から笑顔で見つめる女性がいた
その両サイドには見覚えのある男達も見え、Aは無意識に眉間に皺を寄せた
「げっ、アイツじゃん…！」
「え？会ったの？」
「会ったのは愛理さんのそっくりさんじゃなくてその隣。町で情報収集してる時にナンパされたんだけどさー…しつこくて。余すとこなく受け継いでるよ、尾崎さん」
「「「「「「あー……」」」」」」
全員の肯定の相槌にAは再び苦笑いを浮かべる
そのまま愛理に似た女性の様子を目で追っていると、何かを落としたのか慌てて身を乗り出しながら見物していた2階から階下へと降りていく
人混みの中探すのは危ないなと心配になったその時、彼女にそっと落としたであろう簪を差し出す男性の姿が目に留まった
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茉南(プロフ) - Aさん» 読んでいただきありがとうございます(^^)ラストまでどうなるか…楽しんで読んでもらえるよう頑張っていきます！亀更新ですが、これからもよろしくお願いします！ (10月24日 0時) (
レス) id: a9242dc9a9 (このIDを非表示/違反報告)
A(プロフ) - 侑斗オチだと嬉しいです！いつも楽しく読ませてもらってます！完結までがんばってください (10月23日 0時) (レス) @page34 id: f296b2ed74 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：茉南 | 作成日時：2023年3月9日 0時
