欲しかったモノはもうたくさん持ってた ページ43
「……おい、いつまで触ってるつもりだ」
「え？」
不意に聞こえた声に顔を上げれば、そこには不機嫌そうな表情を浮かべた侑斗が立っていた
その視線はAの手にある
否、Aの手に触れている“カミサマ”に向いていた
侑斗は“カミサマ”に握られているAの手を引き離すと、眉間に皺を寄せながらAへと口を開いた
「お前もいつまでも触らせてンじゃねぇ！」
「え！？ちょっ、なんで私怒られてンの！？」
あまりに身勝手な侑斗の言い分にAは思わずガタンと立ち上がる
“カミサマ”を含め、食堂車メンバーや良太郎はポカンとした表情でそれを見つめるばかりだ
「いつも以上にポヤッとしやがって」
「なんつー言い草！状況が状況でしょ！？侑斗に怒られる理由なんてないけど！？」
理不尽に怒られれば誰でも疑問と共に怒りが湧く
当然Aも例に漏れなかったが、2人のやり取りを見ていた“カミサマ”はニヤリと不敵に笑った
徐に立ち上がると、未だ言い合いをしている2人＿＿Aへと声をかけた
「A」
「なん、＿＿ッ、ぅわっ！？」
意識は侑斗へと向いていたため、呼ばれた反射のみで応えたA
その次の瞬間には、何故か“カミサマ”の腕の中にすっぽりと収まっていた
Aはもちろん、突然の事に侑斗も思わず目を見開く
そんな中、一番最初に口を開いたのは“カミサマ”だった
「男の嫉妬は見苦しいぞ？侑斗よ」
「なっ、」
「え、嫉妬？」
思いがけない“カミサマ”の言葉にAはキョトリと目を瞬かせる
侑斗はと言うと、図星かというように徐々に顔を赤らめ始めた
はくはくと何度か口を開くも、そこから言葉が紡がれる事はない
そんな侑斗を見て、“カミサマ”は呆れたように肩を竦めた
「好いた相手とはいえ、もうお前の手には余るのだろう？Aの好きにしてもいいじゃないか。
それともアレか。惚れた弱みから来る独占欲か？」
“確信犯”
Aは“カミサマ”の行動に、そんな単語が頭を巡った
見せつけるかのように、“カミサマ”はAを抱いていた腕の力を強めたからだ
必然的に2人の距離はより近くなり、密着度も増す
それを目の当たりにした侑斗は＿＿
「……うるせぇ！！てめぇはまた信用してねぇんだ！Aに気安く触ってンじゃねぇ！」
「ほらキレたー！ちょっ、良太郎くん助けて！」
「僕を巻き込まないでくれる！？」
些細な事でこんなにも笑っていられる
そんな仲間ができた事が本当に幸せ
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茉南(プロフ) - Aさん» 読んでいただきありがとうございます(^^)ラストまでどうなるか…楽しんで読んでもらえるよう頑張っていきます！亀更新ですが、これからもよろしくお願いします！ (10月24日 0時) (
レス) id: a9242dc9a9 (このIDを非表示/違反報告)
A(プロフ) - 侑斗オチだと嬉しいです！いつも楽しく読ませてもらってます！完結までがんばってください (10月23日 0時) (レス) @page34 id: f296b2ed74 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：茉南 | 作成日時：2023年3月9日 0時
