始まりの物語はここに9 ページ41
「……“カミサマ”…？」
黙り込んでしまった“カミサマ”に恐る恐る声を掛ける
その呼び掛けにハッと顔を上げると、バツが悪そうに眉尻を下げた
「悪い。少し…思い出していた。皮肉だな…“神”として力をもっていようが地上に降りればこのザマだ。神なんてモノは実際、大した事ないんだよ」
「そんな事、」
「その結果が…“コレ”だ」
自嘲する“カミサマ”にA達は言葉に詰まる
きっと、“カミサマ”の中でもこの事は想定外だったのだろう
でなければ、今現実に起きている事は“あり得ない”のだから
「彼が…コウが、どうやって人間の世界に溶け込んでいた俺を見つける事が出来たのかは定かじゃない。だけど“あの日”…コウは俺を見て言ったんだ。
『お前の持つ“神”の力を俺に寄越せ』と。突然の事だったし、その言葉を理解するのに脳が処理するのが遅れてね。
……気が付いたら、自分の持つ神の力の半分以上は奪われていた」
＿＿どこかで驕っていたのかもしれない
“神”という存在の大きさに
絶対、なんてモノはこの世には存在しないのに
今でも鮮明に思い出す
自分の身体から力が抜けていく、あの感覚
見えない何かで守られていた、あの感覚がなくなった時の絶望感
全てを、ヤツに奪われてはいけないと本能が動いた
「……全てを奪い取られる前に、最後に自分の中に残っていた力を他へと移した。コウは全てを吸収したと思ったようで満足気にすぐ立ち去ったけど、俺の意識と２つの力は奪われる事なく守ることが出来た。
＿＿お前の… Aの中に移すことで」
点と点が繋がる
足りなかったピースが、はまる
今までどんなに探しても見つからなかった答え
それがようやく、現実となった
“なんで私を選んだのか”とか
“なんて事してくれたんだ”とか
“私の人生を返せ”とか
言いたい事はたくさんあった
もっともっと感情が高まって、“カミサマ”に対して泣き叫んだりとか喚いたりだとか、するんだろうと思っていたけれど
実際に“その答え”を聞いた瞬間は、思っていたより感情は凪いでいた
独りでは、きっと抱えきれなかった
でも今は独りじゃないから
自分の周りには、自分を心配してくれる、心から信頼することができる
“仲間”がいるから
「＿＿そっか…。じゃあ私、“カミサマ”を救った英雄、だね？」
そんな冗談を言えるくらいに
目の前の現実を、真実を
あっさりと受け入れる事ができた
これが、私の“物語”の始まり＿＿…
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茉南(プロフ) - Aさん» 読んでいただきありがとうございます(^^)ラストまでどうなるか…楽しんで読んでもらえるよう頑張っていきます！亀更新ですが、これからもよろしくお願いします！ (10月24日 0時) (
レス) id: a9242dc9a9 (このIDを非表示/違反報告)
A(プロフ) - 侑斗オチだと嬉しいです！いつも楽しく読ませてもらってます！完結までがんばってください (10月23日 0時) (レス) @page34 id: f296b2ed74 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：茉南 | 作成日時：2023年3月9日 0時
