願わずにはいられなかった2人へ ページ5
それは、達成感と喜びと、
「……さよなら、ソラさん…」
幽霊列車が消えていった空を見上げてAはポツリと呟く
“切なる願いが、いつか成就されますように”
もうこんな悲しい事が起きませんように
今はもう見えない列車に願い、空を仰いだままAはゆっくりと目を閉じる
＿＿あぁ、終わった
そう安堵し、肩の力を抜いた途端ふらりと自身の身体が揺れる
力の抜けてしまった足に倒れる事を覚悟した瞬間、感じたのは固い地面ではなく温かい人の温度だった
「……大丈夫か？」
「あ…」
倒れ込んだAを受け止めたのは幸太郎だった
閉じていた瞳を開ければ、そこには心配そうに自分を見つめる幸太郎の姿がありAはほう、と小さく息を吐いた
「気ぃ抜けたら足の力まで抜けちゃった…」
「全部が終わった後に怪我とか笑えないだろ」
「ふふ…そうだね」
力を入れれば今度は踏ん張りが効くようになった足
体勢を直して自身の足で立ち上がるも、幸太郎の支える手は離れない
不思議に思って幸太郎を見やれば、後ろから掛けられた声に目を瞬かせた
「A！！」
「あ、良太郎くん！モモさんも！」
変身を解除し駆け寄るふたりに自然と笑みが溢れる
自然と幸太郎の手はAから離れており、それは支えられていた本人すらも気付かないほど自然だった
「大丈夫？いま、ふらついてなかった？」
「終わったな、って思ったら気が抜けちゃって。幸太郎くんが助けてくれた」
「そっか…。良かった。Aが…ソラさんを連れてきてくれたの？」
良太郎からの問いに、Aはまた空を仰ぐ
つられるように3人も空を見上げると、Aはポツリポツリと言葉を紡いだ
「少しだけね…死郎とソラさんの過去に飛んだの。あんなに仲睦まじかった2人なのに、どうしてすれ違っちゃったのか…どうしても気になって。
＿＿結果だけ言えば…見たとおりと言うかなんと言うか。若くして亡くなったソラさんとの時間をもう一度作り直したかったんだよね、死郎は。その気持ちは分からなくはないけど…やっぱり時間を捻じ曲げる事は許されないから。
狂気に走ってしまった死郎を止められるのはソラさんだけかなって」
最後まで足掻いてはいたけれど、愛する人だからこそ伝わる言葉はあると思う
それに賭けたのは間違いではなかった
死郎の野望を止める事ができた
幸太郎も含め、皆で力を合わせた結果ではあるが
ソラの言葉無くして勝利は得られなかったのもまた事実だ
始まりの奇跡を目にして1→←狂いそうなほど長い時間の先にあるのは4
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茉南(プロフ) - Aさん» 読んでいただきありがとうございます(^^)ラストまでどうなるか…楽しんで読んでもらえるよう頑張っていきます！亀更新ですが、これからもよろしくお願いします！ (10月24日 0時) (
レス) id: a9242dc9a9 (このIDを非表示/違反報告)
A(プロフ) - 侑斗オチだと嬉しいです！いつも楽しく読ませてもらってます！完結までがんばってください (10月23日 0時) (レス) @page34 id: f296b2ed74 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：茉南 | 作成日時：2023年3月9日 0時
