始まりの物語はここに7 ページ39
「……なんで…」
口からついて出た言葉はあまりにも、陳腐で頼りなげで
でも、それでも
いつも投げかけても返ってこなかったその問いへの答えは
今ならきっと、ちゃんと返ってきそうだと思えた＿＿…
「なんで…その、アンタの力が… Aにあるんだ？Aは人間だろ？」
Aの代わりに言葉を紡いだのは侑斗
侑斗の疑問は至極真っ当で、だけど誰もが直球では聞けなかった事
“人間”であるAに、何故“人間にはない”力があるのか
長きに渡る疑問の答えが、きっと目の前の男の口から紡がれる
「……お前達、人間は。“神”はなんだと思っている？」
「えっ…神、は？えっと…ヒト、じゃ、ない…の、かな。アレかな、信仰心が強い人が特別な力を得た、とか…？」
知らず知らず力を込めてしまっていた手
握っていたと気付いたのは、“カミサマ”から紡がれた言葉が想像していたモノと違ったと認識してからだ
突飛な質問にAが慌てて答えると、“カミサマ”はフッと頰を緩ませた後ゆっくりと首を横に振った
「神とは人ではなく……意思を持った個々のエネルギー体だ。この姿は、君達を模しているにすぎない。
こんな“何でもアリ”な人間、嫌だろ？」
「いや…まぁ、そうだけど。もう話が突飛すぎてついていくのがやっとなんだけど。神ってなんなの？ってトコから始まるとは思わなかった…」
「ははっ、すまないな。頑張ってついてきてくれると助かる」
“カミサマ”は苦笑いを浮かべると、崩していた姿勢を正す
その雰囲気に飲まれ、A達もまた佇まいを直した
「…“神”と呼ばれる俺たちにもな、仕事と言うか任と言うか…やらなければならない事がある。
それが『人間達の世界を見守ること』。
いかにも“神様”らしいだろう？見守り、監視し、有事の際にはそっと手を貸し導く。『時の運行の監視者』……今までAがやっていたような事だ。Aとの違いは言わなくても分かるね？そこは“人”と“神”の違いだ。パスを持つ者達がやっていた事は本当に微々たる事…俺の力には遠く及ばない。
君達が今、当たり前ように使っている時間の概念も、元を辿れば俺が導いたモノ。もちろん、発展していったのは君達人間の努力の結果だけどね」
“やはり人間は向上心の塊だ”と敬意の念を持つような口ぶりで話す“カミサマ”
その口から語られた真実
あるワケないのに、何故か底なし沼に落ちていくような感覚になったのはきっと、気のせいじゃない
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茉南(プロフ) - Aさん» 読んでいただきありがとうございます(^^)ラストまでどうなるか…楽しんで読んでもらえるよう頑張っていきます！亀更新ですが、これからもよろしくお願いします！ (10月24日 0時) (
レス) id: a9242dc9a9 (このIDを非表示/違反報告)
A(プロフ) - 侑斗オチだと嬉しいです！いつも楽しく読ませてもらってます！完結までがんばってください (10月23日 0時) (レス) @page34 id: f296b2ed74 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：茉南 | 作成日時：2023年3月9日 0時
