始まりの物語はここに5 ページ37
「………、あの」
「あ？どうした良太郎」
「Aが中から聞こえてるって言うなら言わなくてもいいかなって思ったんだけど…。
もし出来るんなら、僕達も視界からの情報が混乱しなくていいかなって思って…。ダメなんなら、それでも構わないんだけど」
「なんや良太郎。勿体ぶらないで言うてみぃ」
勿体ぶると言うか、自信がないというか
確信がなく不安そうにしている良太郎に、全員の視線が集まる
それを少し居心地悪そうに苦笑いを浮かべてから、良太郎は口を開いた
「Aが…思い描いているモノを具現化する力があるんなら…その。ハナさんもAも一度会ってるから、どんな姿とか分かってるワケだし…。
＿＿“カミサマ”も実体化、できるんじゃないかなぁって…ちょっと、思って」
「「「「「「あ」」」」」」
.
＿＿＿＿10分後
「いやー悪い悪い！！Aが持ってる力の事、すっかり忘れてたわ！」
「……えーっ、と…」
困惑気味のAと食堂車メンバー
その対面で大らかに笑っているのは、Aの力で具現化した件の“カミサマ”だ
銀の髪を携え、その瞳は髪と同じく銀色に輝く
白を基調としたその服装は、どこか神々しくやはり“神様”を思わせる
＿＿の、だが
「…………思ってたんと違う…」
そうAが溢した言葉に食堂車メンバーは勢いよく首を縦に振った
具現化した際になにか不都合なことでも起きたのかと、それほどまでに見た目と中身が相反している
威厳どころか親近感さえ湧きそうなその雰囲気に、A達は思わず頭を抱えた
「神様なんてのは、大抵こんなモンだぞ？」
「脳内処理が追いつかないからもう喋らないでほしい…」
“カミサマ”とは何か
コウとの関係は何なのか
何故、“今”姿を現したのか
…何故、“自分”を選んだのか
知りたい事、聞きたい事は湯水のごとく湧き上がるのに混乱もあってうまく言葉として出てこない
そんなAを見て、“カミサマ”は困ったように眉尻を下げた
「…悪い。今更、混乱するだけだな。力を奪われて、どうにか回復するまで動けなかったんだ」
「え……？」
パチリ
Aが顔を上げれば“カミサマ”と目が合う
その瞳は不思議と信じられるモノだと思った
ともなれば、“力を奪われた”とは
「もう……10年以上になるのだな。“あの日”、俺はコウによって神として持つべき力のほとんどを奪われた。
アイツは…コウは、俺に“成り代わろう”としている」
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茉南(プロフ) - Aさん» 読んでいただきありがとうございます(^^)ラストまでどうなるか…楽しんで読んでもらえるよう頑張っていきます！亀更新ですが、これからもよろしくお願いします！ (10月24日 0時) (
レス) id: a9242dc9a9 (このIDを非表示/違反報告)
A(プロフ) - 侑斗オチだと嬉しいです！いつも楽しく読ませてもらってます！完結までがんばってください (10月23日 0時) (レス) @page34 id: f296b2ed74 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：茉南 | 作成日時：2023年3月9日 0時
