始まりの物語はここに4 ページ36
＿＿『ふざけンな』『許せねぇ』
真っ先に浮かんだその感情
そう思った瞬間に、身体は正直に動いていた
「モモタロス！！」
良太郎の焦ったような叫びがデンライナーに響く
モモタロスの手が、“ A”の胸倉を掴んでいたのだ
その様子に思わずハナや侑斗も立ち上がる
中身は違えど、その身体はAのものであり、どんな理由があったとしても傷を付けるワケにはいかない
もちろん、その事はモモタロスも分かっている
＿＿分かってはいる、が
“ Aの苦しみを作った張本人”を目の前にし、いつだって誰よりも感情で動くモモタロスには、“ここ”で留めておくことだけでも限界だった
葛藤で揺れ動き胸倉を掴む拳は小さく震え、モモタロスがどうにか耐えようとしているのが食堂車メンバーにも見て分かった
「＿＿…チッ、」
舌打ちをひとつ鳴らし、モモタロスはゆっくりと拳の力を抜き、服から手を離す
“なんでもなかった”とでも言うように“ A”はサッと服の乱れを直すと、バツの悪さから視線を外していたモモタロスに声をかけた
『…悪かった。大事だと、思ってくれているんだな』
「当たり前だろうが。Aは俺達を何度も助けてくれた。色んなモン、分かち合った大事な仲間なんだよ！」
Aが恐れている“忘れてしまう”なんてもの、そんな事は彼らには関係ない
どんな理由があろうとも、Aはもう良太郎やモモタロス達にとって大切な仲間の1人となっていたのだ
そんな彼らをゆっくりと見回すと、“ A”はどこかホッとしたような表情を浮かべた
『…良かった。Aを巻き込んでしまった負い目は常にあった。Aにとって、辛い日々ばかりではなかったのが…本当に嬉しい。
＿＿ありがとう、Aを大事だと…仲間だと言ってくれて』
「べっ、別に頼まれたからやってるワケじゃねぇよ！
つーか今からの話、Aにも聞こえてるんだろな？ややこしいだろうし、何度も説明なんてしねぇぞ！？」
『あぁ、それは大丈夫だ。Aとしての意識は残っているから、中から聞こえてるはずだ。ちょうど、君達のように憑依させている状態と同じようなものだ』
思ってもいなかった“ A”からの感謝の言葉にモモタロスは気恥ずかしくなって顔を背ける
2人のやり取りに車内の雰囲気も張り詰めたモノから和らいだ
Aがこの状況下でも聞こえているという言質も取れ、さぁこれから、というところで意外な所から声が上がった
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茉南(プロフ) - Aさん» 読んでいただきありがとうございます(^^)ラストまでどうなるか…楽しんで読んでもらえるよう頑張っていきます！亀更新ですが、これからもよろしくお願いします！ (10月24日 0時) (
レス) id: a9242dc9a9 (このIDを非表示/違反報告)
A(プロフ) - 侑斗オチだと嬉しいです！いつも楽しく読ませてもらってます！完結までがんばってください (10月23日 0時) (レス) @page34 id: f296b2ed74 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：茉南 | 作成日時：2023年3月9日 0時
