始まりの物語はここに2 ページ34
「『さぁ、どうする？分が悪いのはそっちだ』」
そう言いながら“ A”が上げていた腕を下ろすと、シールドのような光の膜が消える
先ほどのコウの攻撃は、どうやらこうやって防御されたようだ
それは、Aの持つ“物を具現化する力”と酷似していた
「チッ…まさか今頃ンなって覚醒するなんて思わなかったな…。悔しいが、お前の言う通りだよ“カミサマ”」
ジリ…とコウが一歩後退すれば、“ A”はニヤリと不敵に笑う
その差を埋めるように一歩踏み出せば、威圧感が良太郎達を襲った
「『そうだ。そうやって今のうちに尻尾巻いて逃げておくがいい。
＿＿だが、間違えるな。お前は必ず、俺がこの手で葬ってやる』」
射抜くほど鋭い視線で“ A”はコウを睨みつける
いつかと同じ、その場を掌握しているような雰囲気を放つ“ A”を目の前にして、誰かの喉を鳴らす音が小さく響いた
その音を合図にするかのように、コウはイマジンによって一瞬でその場から遠ざかる
一度イマジンが足を止めると、コウは“ A”達に向かって声を上げた
「…今は手を引いてやるよ！だが間違えるな“カミサマ”。お前じゃ俺を倒せない！その方法はテメェが自ら潰しちまったからな！せいぜい足掻くがいい！
＿＿お前より先に、俺がお前を追い詰めてやる」
そう言い残すと、コウはイマジンに連れられてあっという間にこの場を去っていった
残された良太郎達と“ A”はその後ろ姿をただ見つめるだけ
張り詰めた空気が消え少しずつ穏やかな気配を取り戻していくのを肌で感じていると、徐に口を開いたのは“ A”だった
「『…事を急かねばいけないな』」
独り言とも取れるような声だったけれど、それを確実に拾ったのは侑斗だった
その背中に侑斗は疑問を隠す事なくぶつけた
「お前は…何者だ？説明の前にちゃんとお前が何なのか分かるように教えろ。
それと…お前、あの男の最後の言葉になんか反応したな？その辺りも全部、包み隠さず話せ」
“ A”が振り返り、ぶつかる視線
その先に見えるのはシルバーに輝く瞳
その瞳を携えた“ A”は困ったように笑った
「『…そうだな。これ以上、お前達に何も教えず都合よく動いてもらうワケにもいかない。それこそ虫の良すぎる話だ。
＿＿連れて行ってくれ、デンライナーに。そこで全てを開示する』」
その言葉に心臓が重く鳴り響いたのは誰か
“ A”の運命の始まり
その謎が、ようやく＿＿…
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茉南(プロフ) - Aさん» 読んでいただきありがとうございます(^^)ラストまでどうなるか…楽しんで読んでもらえるよう頑張っていきます！亀更新ですが、これからもよろしくお願いします！ (10月24日 0時) (
レス) id: a9242dc9a9 (このIDを非表示/違反報告)
A(プロフ) - 侑斗オチだと嬉しいです！いつも楽しく読ませてもらってます！完結までがんばってください (10月23日 0時) (レス) @page34 id: f296b2ed74 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：茉南 | 作成日時：2023年3月9日 0時
