理由を、知った8 ページ32
「＿＿さぁ、ほら。コッチへおいで？A」
手を差し伸べながら、一歩一歩ゆっくりとコウはAへと近付く
砂を踏み締める音がやけに耳の奥を刺激する
柔らかな笑みを携えながら、コウは再び口を開いた
「仲間とか友情とか、そんな不安定な繋がりじゃない。いつか忘れられてしまうんじゃないかと怯える必要もない。いつだって君の願うまま、自由に生きようじゃないか」
ついには目の前に
カイと同じ顔で、同じ表情で、同じ声で
どうにも抗えない、この運命を共にしてくれると誘う彼は＿＿…
「＿＿…一緒には、生きない」
パシン、と乾いた音が響く
差し出された手を、Aは払い除けた
次いで、支えてくれていた侑斗の手から離れると目の前にいるコウへと視線を移す
その瞳は、先ほどまでの迷いがあった揺れるモノではなかった
曲げない意志を持った真っ直ぐな瞳で、Aはコウを見据えていた
その様子にコウは目を丸くするも、次第に口元を緩ませていった
「そうかそうか…。Aは随分と強くなったみたいだね。嬉しいよ、Aが成長してくれることは」
「は…？」
くくく、と腹を抱えて笑い出したコウにA達は怪訝そうに眉を顰める
いつだってこうやって、コウは調子を狂わせてくるのだ
“理解できない”とAが考えていたところで、笑い声がピタリと止んだ
コウはゆっくりと垂れていた頭を持ち上げると、ひたりと目線をA達へと向ける
その眼光は驚くほど瞬時に鋭いものへと変化していた
「＿＿ッ！」
「でもさぁ、やっぱり違うんだよ。俺が求めるAはソレじゃないんだ。他を寄せ付けない、触れると噛みつかれるような荒々しい空気を纏った…アレがいい。
そのためには、未練が残ってしまう邪魔なモノは排除しないと」
＿＿ゾクリ
その瞬間感じたのはコウの狂気じみた感情と、瞬時に集められた膨大なエネルギー
ソレが向かう先を察したAに向けられた、コウの嬉しそうに歪んだ笑顔
「待っ…！！」
「さようなら」
集められたエネルギーは大きな塊となって、Aのすぐ後ろにいた良太郎達へと向けられる
Aが動き出したのと、コウの手からエネルギー体が離れたのは同時だった
＿＿ねぇ、カミサマ
なんで私の大切なものはこんなに簡単に奪われてしまうの
もう、何にも奪われたくないの
だからお願い、皆を守れるだけの力が欲しい
何にも屈しない、大切なものを守れる力が
ねぇ、お願い
“カミサマ”
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茉南(プロフ) - Aさん» 読んでいただきありがとうございます(^^)ラストまでどうなるか…楽しんで読んでもらえるよう頑張っていきます！亀更新ですが、これからもよろしくお願いします！ (10月24日 0時) (
レス) id: a9242dc9a9 (このIDを非表示/違反報告)
A(プロフ) - 侑斗オチだと嬉しいです！いつも楽しく読ませてもらってます！完結までがんばってください (10月23日 0時) (レス) @page34 id: f296b2ed74 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：茉南 | 作成日時：2023年3月9日 0時
