理由を、知った7 ページ31
＿＿“理由”を、知った
「…おいA！！大丈夫か！？おい！」
耳に入ってくる声にAは我に返った
どうやら衝撃で意識を飛ばしてしまっていたようで、何度か瞬きを繰り返すと声のする方へと視線を向ける
そこには必死に声をかけてくる侑斗とモモタロスの姿があった
「ゆ……と、モモさ…」
「A無事だな！？おい！！良太郎大丈夫か！？」
「…え……」
モモタロスが手を伸ばして揺さぶるのはAではない
Aを守るように抱え込んで庇ったのは良太郎だった
突如として視界がなくなったのも、直後に衝撃があったのも良太郎が咄嗟にAを守ったためだった
モモタロスの声に反応した良太郎が小さく身動ぎすると、Aは慌てて声を上げた
「りっ…良太郎くん！ゴメン、こんなっ」
「… A、無事…？」
「良太郎くんのおかげで無傷だよ！でも良太郎くんが…っ！」
「そか、良かったぁ…」
ふにゃり、と笑顔を向ける良太郎にモモタロスは大きくため息を吐くと、呆れたように口を開いた
「ったく…良かったじゃねぇよ。守るんなら、完璧に避けやがれ」
「う…それはちょっと無理かなぁ。二人みたいにカッコよく動けないし」
「おい野上。それは俺に対する嫌味か？俺はAを守る時は完璧に出来てねぇよ」
Aを侑斗が、良太郎をモモタロスがそれぞれ手を貸して身体を起こす
あちこちに傷こそあるものの、良太郎の怪我は酷いものはなくAはホッとしたように息を吐く
4人が安堵した表情を浮かべていると、それを邪魔するかのように高らかな笑い声が響いた
「あはははは！お伽話でも見ている気分だね！さながらお姫様と彼女を守るナイトと言った所か！実に滑稽だ！！」
「ッ、テメェ！なに笑ってンだ！！」
「モモさん落ち着いて！ここで怒ったってアイツの思うツボだよ！？」
「いやぁ美しいね。Aも気分がいいだろう？大事に大事に扱われて、守られて。
…でもさぁ。Aを本当に必要としてるのは俺なの、分かってる？
どんな時だって変わらずAだけを愛してきたんだ。Aの力をもらったら、“ A”は俺が生涯を以って愛し尽くしてあげる。俺は神の力を持って、全てを掌握することができるんだ。
＿＿何度も言っただろう？A、君がいるべきはそっちじゃない。俺と共に世界を支配しよう」
ゆっくりとコウは手を差し伸べる
それは“人”の手
だがAにはソレがただただ歪なモノにしか見えなかった
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茉南(プロフ) - Aさん» 読んでいただきありがとうございます(^^)ラストまでどうなるか…楽しんで読んでもらえるよう頑張っていきます！亀更新ですが、これからもよろしくお願いします！ (10月24日 0時) (
レス) id: a9242dc9a9 (このIDを非表示/違反報告)
A(プロフ) - 侑斗オチだと嬉しいです！いつも楽しく読ませてもらってます！完結までがんばってください (10月23日 0時) (レス) @page34 id: f296b2ed74 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：茉南 | 作成日時：2023年3月9日 0時
