理由を、知った6 ページ30
“あり得ない”なんて、ない
“あり得る”けれど、それは何かを捻じ曲げてまで作り出した偽りの現実
「…あぁ、カイが消滅した事に関しては君達は何も罪悪感を背負う事はない。だってそういう運命だったんだから。可能性として抗う事はできるけれど、結局運命は変えられない。カイが消滅するのは必然だったんだ。
＿＿そういうたくさんの可能性。ハナがハナだけでなく、双子かもしれなかった可能性だってもちろんあるんだよ？可能性の未来は無限にあるんだからね」
「＿＿ッ、アンタ…もしかして…」
男の言葉をひとつずつ点と線で繋げていく
そうして見えてきた答えに、Aはグッと手に力が入るのが分かった
Aのその様子を見た男は嬉しそうに声をあげた
「さすがは俺のAだね！！そうだよ、俺は“カイと双子で生まれるハズだった”時間から来たんだ！
カイと同じ姿なのは当たり前なのさ。もちろん、カイとは別の人間だから“カイではない”。意味が分かっただろう？
＿＿僕の名前はカイじゃない。『コウ』だ」
ふわり、と男の＿＿“コウ”の周りに風が舞い上がる
舞い上がった風は小さな旋風となり、徐々に大きくなりながら威力を増していく
「カイはさ、時の運行から外れた未来から来た存在で…自身の消滅を恐れた。だから現代の時間を自分達の時間と繋げて“過去”という概念を自分の物にしたかった。
…カイの気持ちは嫌というほど分かるよ。だって、“自分が消滅する”なんて事実…そう易々と受け入れられないじゃないか。
俺だってそうだ。“今”、ここで確かに生きているのに、消えてしまうなんて…。そんな現実、“なくなってしまえ”と思ったよ」
「は…？それ、どういう…？」
突如始まった身の上話
思えば、カイはその自身の存在の不安定さから過去を得ようとその思いだけで行動していた
その行動も、彼自身の思想も決して褒められたモノではなかったが、“今”という時間でしか存在できないカイのことを多少なりとも哀れだと思ったのもまた事実だ
そのカイと同じように、この男“コウ”も運命に抗おうともがいていたのだろうか
そう考えると＿＿…
「＿＿だから俺はね。カイとは違う事をしようと考えたんだ。カイは自身の“過去”を欲しがった。だけど…俺は違う。“変える力”が欲しかった。
“全てを意のままに変える事ができる力”が！！！」
「ッ、A危ない！！」
そう叫んだのは誰なのか
直後、一瞬で世界は真っ暗になった＿＿
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茉南(プロフ) - Aさん» 読んでいただきありがとうございます(^^)ラストまでどうなるか…楽しんで読んでもらえるよう頑張っていきます！亀更新ですが、これからもよろしくお願いします！ (10月24日 0時) (
レス) id: a9242dc9a9 (このIDを非表示/違反報告)
A(プロフ) - 侑斗オチだと嬉しいです！いつも楽しく読ませてもらってます！完結までがんばってください (10月23日 0時) (レス) @page34 id: f296b2ed74 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：茉南 | 作成日時：2023年3月9日 0時
