理由を、知った3 ページ27
人と違う時間を生きるようになって、“私”の時間は止まった
それがまた、少しずつ、少しずつ
歯車が動き出してきている
それは紛れもなく、彼らのおかげだ
「＿＿A！！」
あれから、どれくらい時間が経過しただろうか
10分のような、20分のような、1時間のような
実際に経過したのは数分のような気もするが、体感はそれよりももっと長い
目の前で繰り広げられる戦いに、その場にいる誰もが動けずにいた
否、動いて加勢しようとするものならば、やられてしまうのは“自身”だと本能が警告したからだ
＿＿そんな人離れした戦いに動きがあったのは、それからすぐのことだった
「…もう、終わりにしよう」
小さく呟いたAは手に持つタクトと小銃をアローへと変えた
攻撃を止めたAに男も同じように手を止める
顔を上げAの方を見た瞬間、男は目を見開いた
「＿＿ッ、！」
その、Aの表情は＿＿
「＿＿…笑顔…？」
ソレを見て思わず侑斗は言葉を溢した
目の前のモノを愛でるような、慈しむような、そんな表情でAは笑っているのだ
ほんの少し前まで、常人ではない動きで戦っていたとは思えないほどのその表情は、その場にいる全ての瞳を釘付けにした
「…『ashra』」
徐に開かれたAの唇から紡がれたのは言霊
ゆるりと腕を上げ、アローをフードの男へと向けた瞬間、光の矢が勢いよく飛び出した
「くっ…！！」
次々と襲いかかってくる光の矢を、男はギリギリで躱していく
最後の一本を躱した後、Aを見やり口角を上げた
「ははっ！下手な鉄砲数撃ちゃ当たる作戦？リミッターが外れた割にはお粗末な攻撃だな！当たらなかったら意味がないじゃないか」
「…誰が終わりだって言った？」
勝ち誇ったような表情で話す男を一瞥すると、Aは同じように口角を上げる
一呼吸置いてから、男を見据えて再び言霊を口にした
「＿＿『miyya』！！！」
「！！！」
グッ、と一度大気が縮まったような感覚がして、直後にアローから飛び出したのは今までに見た事のない数の光の矢
隙を与えない、とでも言わんばかりに降り注ぐ光の矢に、男は避けきれずに身体を掠める
１つ綻べば崩れるのはあっという間で、その後は目に見えて矢を受ける数の方が多くなった
よろめいた男のフードを光の矢が切り裂いたのはそんな時で、ふわりと飛んだ切れたフードに誰もが目を奪われる
その直後、初めて見る男の素の顔に全員が凍りついた＿＿
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茉南(プロフ) - Aさん» 読んでいただきありがとうございます(^^)ラストまでどうなるか…楽しんで読んでもらえるよう頑張っていきます！亀更新ですが、これからもよろしくお願いします！ (10月24日 0時) (
レス) id: a9242dc9a9 (このIDを非表示/違反報告)
A(プロフ) - 侑斗オチだと嬉しいです！いつも楽しく読ませてもらってます！完結までがんばってください (10月23日 0時) (レス) @page34 id: f296b2ed74 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：茉南 | 作成日時：2023年3月9日 0時
