理由を、知った2 ページ26
＿＿身体が、軽い
まるで羽が生えたみたいだ
タクトも小銃も、今まで以上に手に馴染む
あんなに恐ろしいと思ったフードの男の動きがやけにゆっくりと見える
男の次の動きすらも予測できるのだから、やはり自分は“人”とは違うモノになってしまったんだろう
でも
その力で、身近な人達を守れるなら
“何か”を守れるなら
もうそれでもいいかもしれない
だって、迷いが消えたら
世界がこんなにも明るく見えたんだから＿＿…
「＿＿あれ、動きが鈍くなってない？」
“珍しいね”と言葉を付け足せば、フードの男は悔しそうにギリリと歯を食いしばった
立場が逆転したかのような、その状況にAは思わず鼻を鳴らす
攻撃の手は緩めないまま、Aは語りかけるように男へと口を開いた
「こんな感じ、だったんだね…アンタ」
「は？」
「アンタがいつも私を追い詰めてた時と…あの時の私。逆になったの気付いてる？」
「くっ…うるさい！」
「まぁ…立場逆転した所で私は嬉しくもなんともないんだけど。アンタと同じ事したって気分がいいワケじゃないし」
ダンッ、とAは強く踏み込むと、フードの男から広く間合いを取る
一度大きく息を吐き出すと、Aは再び視線を男に向けた
「…この戦いに、何の意味があるの。これ以上アンタの我儘に付き合うつもりはないし、皆を巻き込む事もしたくない。アンタが良太郎くんの言うように、“カミサマ”じゃないなら…そうなるのを諦めてほしい。大きすぎる力は…いつか、身を滅ぼす」
強大な力を持たずとも、“カミサマ”なんてモノにならずとも、いつだって幸せはすぐ近くにある
こんな個人的な戦いなんて、無意味だ
“勝ち”があれば、もちろん“負け”もある
それはもう嫌というほど分かってる
力なんて、望まずとも＿＿
「＿＿ッ、！！」
ピッ、と左頬に痛みが走る
目に見えない何かが、顔のすぐ横を掠めていった
一瞬だけ逸れた視線を再び男へと向ければ、男は俯き肩を震わせている
その様子にAは怪訝な表情を浮かべた
「……アンタ、笑ってる…？」
Aがそう問えば、肯定するかのように笑い声が響く
狂気とも取れるその笑い声に、良太郎やモモタロス達も眉間に皺を寄せた
「あはははははは！ありがたーいお説法をどうも。…だけど悪いね。改める気は更々ない」
「……そう。だと思った。＿＿なら、」
「奪う」
「止める」
＿＿その願い、
「「“力尽くでも”」」
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茉南(プロフ) - Aさん» 読んでいただきありがとうございます(^^)ラストまでどうなるか…楽しんで読んでもらえるよう頑張っていきます！亀更新ですが、これからもよろしくお願いします！ (10月24日 0時) (
レス) id: a9242dc9a9 (このIDを非表示/違反報告)
A(プロフ) - 侑斗オチだと嬉しいです！いつも楽しく読ませてもらってます！完結までがんばってください (10月23日 0時) (レス) @page34 id: f296b2ed74 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：茉南 | 作成日時：2023年3月9日 0時
