探して、探して、見つけて5 ページ20
「……ッ、り…良太郎…くん…？」
覚えのある声に、瞳に、良太郎は胸を撫で下ろす
最初に大剣をはたき落としたのは、Aの意識が戻る前にその手から離したかったからだ
あの時、Aに戻った瞬間からその手にある大剣に怯えていた
良太郎の読み通り、“A”に戻った時に手にしていなかったためAは怯える事もなく意識を取り戻す事ができた
Aの手から離れた大剣は、意識を取り戻した瞬間に音もなく消えていき、今ではその姿すらも確認することは出来ない
「＿＿ッ、うおっ！？」
ドサッという音と共に倒れ込んできたのはモモタロス
モモタロスが飛ばされてきた方向を見やれば、そこには子供の姿ではなく元の青年の姿となったフードの男がいた
相変わらず表情はフードに隠されていて見えないが、その口元だけは楽しそうに歪められている
「なっ…なんで！？」
「くっ、大方“力が戻った”とかなんとかじゃねぇの！？クソッ…急にパワーが増しやがった！！」
刹那、距離を詰めてきたフードの男はそのまま迷う事なくAの額に手を翳そうと腕を伸ばす
突然の事に判断の遅れたAは目の前に翳される掌に動く事ができなかった
男の指の間から見えたのは、不敵に笑う口元だけ
＿＿あぁ、これは、また＿＿…
いつかの記憶が蘇る
あの男によって消された、自身の記憶
一度は取り戻す事ができたけれど、二度目となるとどうなるか分からない
今度こそ＿＿
「＿＿＿＿ッ、！！」
その掌が触れる、直前
弾かれたのは男の方だった
その音で、今まで忘れていた呼吸が戻ってきた
荒く息を吐きながら、“何か”が飛んできた方向を見やれば
「……ゆう、と」
足元にコロンと転がるのは、見覚えのあるキャンディ
どうやら侑斗が間一髪でキャンディを投げ付け、自分に触れられるのを防いでくれたようだ
できた男の隙をつき、モモタロスはAを抱き寄せると良太郎と共にフードの男から間合いを取った
「＿＿A！？おい、大丈夫か？」
侑斗はモモタロスに抱き抱えられたまま呆けているAに駆け寄り、数回軽く頬を叩く
モモタロスに縋り付くようにしているその手は、小さく震えていた
「…お前……」
「はは…初めて、アイツに…“恐怖”を感じた……」
初めて会った日から何度となく対峙してきた
ふざけた事を言いながらも、その執着心は少なからず“恐ろしい”と思った
だが、今感じた恐怖は
ソレの比較にもならないほどだった＿＿…
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茉南(プロフ) - Aさん» 読んでいただきありがとうございます(^^)ラストまでどうなるか…楽しんで読んでもらえるよう頑張っていきます！亀更新ですが、これからもよろしくお願いします！ (10月24日 0時) (
レス) id: a9242dc9a9 (このIDを非表示/違反報告)
A(プロフ) - 侑斗オチだと嬉しいです！いつも楽しく読ませてもらってます！完結までがんばってください (10月23日 0時) (レス) @page34 id: f296b2ed74 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：茉南 | 作成日時：2023年3月9日 0時
