探して、探して、見つけて4 ページ19
＿＿冷静になって見てみれば、“異常”だらけだった
“なんでそんな簡単な事に気付かなかったのか”と過去の自分に問いただしたい
それほどに、Aの存在が異質であり、普通であり、奇妙だったのだ
「……とりあえず、Aの意識を元に戻すぞ」
モモタロスの声に良太郎はハッと我に返る
視線を向ければ、そこではまだAがフードの男と対峙し大剣を振るっていた
＿＿あぁ、いつかのデジャヴだ
あの時も、Aはこうやって異常行動を起こしていた
ただ、あの時と違うのは
「…僕たちで、Aを戻せるかな…？」
「ハッ、戻せるんじゃなくて、戻すンだよ。あン時より、俺らは薄っぺらい関係じゃねぇハズだ」
ニヤリと笑みを浮かべるモモタロスに、良太郎は目を瞬かせる
次いで表情を緩ませるとコクリ、と頷いた
「…俺が、2人の間に入るから。良太郎…お前はAをアイツから引き離せ」
「うん、分かった。モモタロス…気を付けて」
「はっ、誰に言ってンだそりゃ」
鼻で笑うモモタロスに良太郎は肩を竦めると視線を変える
その見据える先にいるのは、未だ攻防を続けているふたり
今度は、大丈夫
モモタロスの言う通り、“あの時”とは親しんだ時間が違う
「＿＿行くぜ」
モモタロスの声を合図に、モモタロスと良太郎は走り出す
モモタロスはフードの男に、良太郎はAに対峙するように間に割って入った
突然の2人の行動に、フードの男もAも驚いたのか攻防の手が止まる
「…良太郎！」
「ッ、ゴメンA！！」
攻撃の手が止まったその一瞬の隙をつき、良太郎は力の限りを使ってAの握っていた大剣をはたき落とした
ガラン…という音に我に返ったAは銀色の瞳で良太郎を睨むと落とされた大剣を拾おうと手を伸ばす
＿＿その手を、先に掴んだのは良太郎だった
Aの両手を掴み、行かせないと言わんばかりに強く握った
「『……離せ！！』」
「離さない！！君はAだ！目を覚まして！君の目の前にいる、僕は誰！？」
普段からは想像もつかないほど強い、Aの力
振り解かれそうになりながらも、良太郎は必死にその手を握り語りかけた
すると一瞬だけAの瞳孔が開き、その動きが止まる
次いで、光が灯っていないような銀の瞳がじわじわと色味を帯びていった
あの、どうにも慣れない無機質な色から、見慣れた優しい色に変化していくのを見て良太郎は心から安堵した
“気付いてくれた”、と＿＿
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茉南(プロフ) - Aさん» 読んでいただきありがとうございます(^^)ラストまでどうなるか…楽しんで読んでもらえるよう頑張っていきます！亀更新ですが、これからもよろしくお願いします！ (10月24日 0時) (
レス) id: a9242dc9a9 (このIDを非表示/違反報告)
A(プロフ) - 侑斗オチだと嬉しいです！いつも楽しく読ませてもらってます！完結までがんばってください (10月23日 0時) (レス) @page34 id: f296b2ed74 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：茉南 | 作成日時：2023年3月9日 0時
