探して、探して、見つけて1 ページ16
＿＿そうやって、アナタはいつだって私の心を掻き乱す
「…まぁ、言ってしまえばボディガード、みたいな？」
立ち寄った公園で、良太郎は徐に口を開いた
移動販売の店で買ったコーヒーに口をつけながら、Aはその言葉に目を丸くした
「ボディガード？」
「うん。今は、Aは1人でいるのは得策じゃないかなって。とは言っても、常に僕や誰かが一緒ってのも向こうも警戒して現れないかもって思って…。だったらイマジンの気配を感じられるモモタロスかなぁって」
あぁ、とAは納得したように何度か小さく首を縦に振る
モモタロス達＿＿イマジンが自分に憑依した場合、良太郎と違って意識の優位は自分だ
それならば見た目は少し変わるが普段と何ら変わらないし、なにより『誰かがいる安心感』がある
良太郎の、モモタロス達の、その配慮が嬉しい
「…うん、そうだね。この方が心強いかも。モモさん、お任せしますよ？」
「ったりめーだ！任せとけ！」
「ところでさ、この姿でモモタロスのチカラとか使えるのかな？リュウタ達の時って、結局その辺試してなかったよね」
「あー…モモさん直伝の腕っぷし？筋肉隆々になるのかな」
「……想像したら、ちょっと嫌だなぁ僕」
「どういう意味だコラ良太郎！！」
脳内に響くモモタロスの怒声にAは苦笑いを浮かべながらも心は穏やかだった
ふと辺りを見渡せば、公園内も穏やかに時間が流れている
楽しそうに遊ぶ子供たち、ゆっくりと散歩を楽しむ老夫婦、ストイックに周囲を走る若者
平日故にそれほど人の数は多くないが、そこには確かに“平和”な時間が存在していた
「……あ、」
少し離れた砂場
小さな男の子が躓き転んでしまった
すぐに身体を起こしたが、その表情は何かに耐えているように見える
反射的に辺りを見回したが、あの男の子を心配するそぶりを見せる大人はすぐには見つからなかった
そう判断したAは目線を男の子に向けたままベンチから腰を上げる
小走りで男の子まで駆け寄ると、服を優しくはたいて砂を落としながら声をかけた
「転んじゃったね。大丈夫？」
かけた言葉に男の子が小さく頷けば、Aはホッと胸を撫で下ろす
顔を覗き込めば、子供特有の大きな瞳と目が合った
「お母さんはいる、かな？」
「……いない」
「そっか。じゃあ一緒に探そうか」
Aが手を差し出せば、それに倣うように男の子も手を伸ばす
＿＿が、その二つの手は互いに繋がり合う事はなかった
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茉南(プロフ) - Aさん» 読んでいただきありがとうございます(^^)ラストまでどうなるか…楽しんで読んでもらえるよう頑張っていきます！亀更新ですが、これからもよろしくお願いします！ (10月24日 0時) (
レス) id: a9242dc9a9 (このIDを非表示/違反報告)
A(プロフ) - 侑斗オチだと嬉しいです！いつも楽しく読ませてもらってます！完結までがんばってください (10月23日 0時) (レス) @page34 id: f296b2ed74 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：茉南 | 作成日時：2023年3月9日 0時
