狂いそうなほど長い時間の先にあるのは2 ページ2
＿＿誰か、誰かお願い
この願いを、叶えてください
「…………」
死郎の戦いが始まった
この戦いに挑む死郎の気迫は凄まじかった
“生きている人間と死んだ人間の時間をひっくり返す”
それがどれだけ時間に、人に影響を及ぼしてしまうかは考えなくとも分かること
だけど、死郎はそれを成し得ようとしているのだ
理由は＿＿遥か昔に死んだ、自分のために
最初はただ、願っているだけだった
それがいつからか力を欲し、力を維持し、人ならざぬ者達を従え、“最悪”とも言えるべき願望を叶えようとしていた
止めたかった
止められなかった
誰か、誰か彼を＿＿…
「＿＿ソラさん！！」
自分と死郎、イマジンしか乗らない列車に聞き覚えのない声が響く
ソラはゆっくり声の方へ顔を向けると、息を切らしたAがドアを開けて立っていた
「…あなたは……」
「ねぇ！行かなくていいの！？死郎の側に、いなくていいの！？」
「ッ、！！」
その必死さにビクリと身体を震わせた
今、死郎は戦っている
勝てば世界がひっくり返り、負ければ＿＿…
「＿＿、私、は…」
決められない
“勝ってほしい”とも“負けてほしい”とも言えない
どんなに残酷でも、死郎が自分の事を思っての行動だと言う事は嫌と言うほど分かるから
でも、
＿＿でも
「伝える事を諦めないで！ソラさんが諦めたら、死郎は永遠にソラさんの思いを掬い上げてくれないよ！？思いはちゃんと言葉にして！
＿＿死郎が誰のために今回の事を引き起こしたか、分かってるんでしょう！？だからこそ、願ったんでしょう！？」
Aはソラを必死に説得する
死郎が自分達の言葉に耳を傾けてくれない今、望みはもうソラだけなのだ
恋人であったソラの言葉なら、もしかしたら死郎に届くのではないだろうかと
「……でも、死郎は…」
「強いよ！めちゃくちゃ強い！アホなほどね！でも貴女は死郎を止めてほしいんでしょ！？だから良太郎くんに…デンライナーにチケットを託した！」
「！！」
それまで伏し目がちだったソラの目が大きく見開かれる
彼女もギリギリの所で迷っているのだ
気が遠くなるほどの長い時間を、彼女は一人で抱え込んでいたのだ
＿＿もう、それも解放してあげてもいいのではないだろうか
「…大丈夫。きっと、死郎に伝わるよ。あれだけの深い愛情を、400年も持ち続けた人だ…ソラさんの言葉には、ちゃんと反応してくれる」
そっと手を取りそう言えば、ソラは泣きそうな表情を浮かべ俯いた
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茉南(プロフ) - Aさん» 読んでいただきありがとうございます(^^)ラストまでどうなるか…楽しんで読んでもらえるよう頑張っていきます！亀更新ですが、これからもよろしくお願いします！ (10月24日 0時) (
レス) id: a9242dc9a9 (このIDを非表示/違反報告)
A(プロフ) - 侑斗オチだと嬉しいです！いつも楽しく読ませてもらってます！完結までがんばってください (10月23日 0時) (レス) @page34 id: f296b2ed74 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：茉南 | 作成日時：2023年3月9日 0時
