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そう、見事に“詰んだ”
「A！こりゃ俺たちだけじゃどうにもなんねぇわ！樽壊せる工具かなんか持ってくるからちょっと待っとけよ！」
「え、ちょっ、待っ…！」
まさに風のように
こちらの言葉なんて、聞きもしないで自己完結しやがった
いや仮にもあのマルコ兄とイゾウ兄の一番隊と十六番隊ならこんな樽一発で蹴り壊せるんじゃないだろうか
つーか引っ張り出してくれるのが一番危なくもないし手っ取り早いんだが何故だ
＿＿だけどとりあえず、何とかしてくれそうだし大人しく待っているか
そう思って気持ちを落ち着かせようとしていると、耳に響いたのはドアの閉まる音とガチャリという施錠音
「……、え？」
聞き間違いか
＿＿そんな、まさか
「ちょっ…ねぇ！悪い冗談はやめてよ！ねぇ！！いるんでしょ！？」
慌てて声を張り上げるも返ってくる声はなく、更にはそれを確認する術もない
湧き上がる焦燥感に、再度さらに声を張り上げた
「ねぇ！！誰かいないの！？お願い出して！！」
どれだけ声を張り上げてもそこには静寂しか存在していない
どうしても考えたくなかったが、答えは出てしまった
「……閉じ込められた…」
ただ倉庫に閉じ込められだけなら、その辺にある道具になりそうな物を駆使して扉をぶち破ることだって出来ただろう
だが、いま自分の置かれてる状況では限りなく不可能に近かった
高さも無理、幅も無理、耐久性には自信有りと言わんばかりの強度、どれを取っても自分ひとりでどうにかできそうなモノは一つとしてないのだ
「…詰んだ、マジで。気をつけろって言われたばっかだったのに…」
“家族”を疑いたくなかった
だが、そうやって信じた結果が“コレ”だ
バシャン、と水飛沫を上げながら力無くその場に座り込む
じわりじわりと服に水が染み込み、それがゆっくりと自身の身体を冷やしていく
でも今はそれでも構わない
否、“それがお似合い”といったところか
「まいったなぁ…。誰か、気付いてくれればいいんだけど」
どこか冷静のような、諦めのような
そんな感情が自分を支配する
誰かに恨まれるような事をした覚えはない
疎まれる事も、羨まれる事も、ここ最近は特には見当たらない
強いて言うのならば、この船での自分のポジションだろうか
＿＿でも、これは、これだけは譲れない
彼らの家族でいるために、胸を張ってそう言えるように
相手が誰であっても、これだけは絶対に渡せないんだ
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茉南(プロフ) - はるさん» 読んでいただきありがとうございます！更新を待っていただける事、とても嬉しいです(^^)のんびりし過ぎて忘れられないよう頑張っていきたいと思っています（笑）これからもよろしくお願いします！ (2月15日 11時) (
レス) @page49 id: 6c919d248d (このIDを非表示/違反報告)
はる - やば、めっちゃ最高…!!ゆっくりでいいので更新待ってます‼ (2月15日 10時) (レス) id: 41084e4d77 (このIDを非表示/違反報告)
茉南(プロフ) - 雨衣さん» いつもありがとうございます(^^)そうなんですよー！原作はみんないなくなってて寂しくて(T-T)彼らを今後どうするか、ある程度考えているのですが…今が楽しくて悩み中です（笑）今後も楽しんでいただけたら嬉しいです！ (12月28日 0時) (レス) id: 936b383323 (このIDを非表示/違反報告)
雨衣(プロフ) - 毎週本当楽しみにしてます！アニメではサッチもイゾウ達もらいなくなるので寂しいんですけど手のなる方へではみんないるから本当癒しになります！！今後の展開が楽しみです！ (12月27日 21時) (レス) @page44 id: ab81a6b8c3 (このIDを非表示/違反報告)
茉南(プロフ) - れなさん» 読んでいただきありがとうございます！文章を褒めていただき、昇天しそうです…。ちまちま書き進めていますので、のんびり待っていただけると嬉しいです(^^)これからもよろしくお願いします！ (12月19日 23時) (レス) id: a9242dc9a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：茉南 | 作成日時：2023年3月3日 11時
