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この船に乗ってから、幾度となく触れてきたコレは
今は全然違うモノのように思えて手に全然馴染まない
その違和感に震える手が、いつか見た夢とまるで同じで
この瞬間でさえも夢かと思ってしまうほど現実味を持てないでいた
それでも、運命の時間は否応なくやってくるのだ
「＿＿＿＿時間だ」
マルコ兄の声が風に乗る
ここは大海原で音なんてあっという間に流れていってしまうのに、その声はやけに耳に残った
私が持つ綱の先には一艘の古びた手漕ぎボートだけ
そこには件の3人＿＿1番隊と16番隊の隊員、そしてツキナさんの姿があった
数日の食糧と水
彼らはそれだけを与えられ、この偉大なる航路に放り出される
それが、マルコ兄達が彼らに下した決断だった
＿＿２日前
「ダメだよぃ。Aにそんな事させられねぇ」
マルコ兄の声が医務室に響く
ツキナさん達の処分結果をマルコ兄が伝えに来て、私がお願いした内容はその場であっさりと却下された
む、と頬を膨らませるとジト目でマルコ兄を睨んだ
「けち」
「ケチって…お前なぁ」
「だって。ケチはケチだもん。ツキナさんにも宣言したんだよ？お互いに責任を取ろうって。なのになんでやらせてくれないの」
「そりゃお前に責任なんかねぇからだろぃ」
「責任あるよ！ツキナさんがあんな行動起こしたのは、“いるハズがない私”がそこに存在していたからだ！それは立派な“原因”でしょ！？」
「それはお前が望んでいたことだろう？徹底的に“ A”という存在を隠してただろうが。外に出る時は毎回容姿を変えて…ちゃんと船に乗らねぇとお前って言う存在は知り得ないほどにねぃ」
「ぐぬぬ…それ、はそうだけど…！」
『違う世界から来た自分が彼らに迷惑をかけないように』
そう考えて、ひたすらに存在を誤魔化してきたっていうのに逆効果になるとは思わなかった
正論を言われ口を噤んでいると、マルコ兄は困ったように眉尻を下げながら目線を合わせてきた
「なぁA。お前の心意気は出来る限り汲んでやりてぇと思ってる。だが、“ソレ”をする意味をちゃんとわかっているか？そうじゃねぇんなら「分かってるよ」
諭すように話すマルコ兄の言葉を遮った私の応えに、マルコ兄の肩がピクリと反応する
いつかの戦闘のように直接手を下すワケじゃない
でも、ソレは確実に誰かの灯火を消す行為
＿＿分かってる
だからこそ、その役は“私”がやらなきゃいけないと思うんだ
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茉南(プロフ) - はるさん» 読んでいただきありがとうございます！更新を待っていただける事、とても嬉しいです(^^)のんびりし過ぎて忘れられないよう頑張っていきたいと思っています（笑）これからもよろしくお願いします！ (2月15日 11時) (
レス) @page49 id: 6c919d248d (このIDを非表示/違反報告)
はる - やば、めっちゃ最高…!!ゆっくりでいいので更新待ってます‼ (2月15日 10時) (レス) id: 41084e4d77 (このIDを非表示/違反報告)
茉南(プロフ) - 雨衣さん» いつもありがとうございます(^^)そうなんですよー！原作はみんないなくなってて寂しくて(T-T)彼らを今後どうするか、ある程度考えているのですが…今が楽しくて悩み中です（笑）今後も楽しんでいただけたら嬉しいです！ (12月28日 0時) (レス) id: 936b383323 (このIDを非表示/違反報告)
雨衣(プロフ) - 毎週本当楽しみにしてます！アニメではサッチもイゾウ達もらいなくなるので寂しいんですけど手のなる方へではみんないるから本当癒しになります！！今後の展開が楽しみです！ (12月27日 21時) (レス) @page44 id: ab81a6b8c3 (このIDを非表示/違反報告)
茉南(プロフ) - れなさん» 読んでいただきありがとうございます！文章を褒めていただき、昇天しそうです…。ちまちま書き進めていますので、のんびり待っていただけると嬉しいです(^^)これからもよろしくお願いします！ (12月19日 23時) (レス) id: a9242dc9a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：茉南 | 作成日時：2023年3月3日 11時
