271 ページ22
『氷みてぇに冷てぇんだよ！！身体を冷やしすぎだ！！』
サッチのその言葉に、思考が停止する
肌寒い地下とは言え、何故サッチが慌てるほどにAの身体が冷えるんだ
抱えて出されたAの肌は、いつもの血色が無く血が通っていない人形かと思うほどに白い
その白い肌に吸い寄せられるようにAの元まで行くと、投げ出された腕にそっと触れた
「＿＿ッ、！？」
その、予想以上の冷たさに思わず肩を震わせる
生きているのが不思議なほど、その肌に温かみがない
＿＿ゾッとした
自分がどんなに危機に瀕していた時だって、こんなに肝が冷えたことはなかった
コイツは、俺が拾ってきて、この船に連れてきて
この船の事を、この世界の事を、生き方を教えてやるって言ったんだ
俺を頼れって、守るって、約束したんだ
まだひとつも守れてねぇのに
Aが、死ぬのか？
「＿＿ッ、エース！！お前が連れてけ！お前が抱いて行った方がAを早く暖められるだろ！？」
「サッ、チ…おれ、」
「エース！行けよぃ！！」
ビクリ、とその声に反応する
反応したのは俺だけじゃなく、その存在すらも今は頭から抜け落ちていた3人もだ
その3人が振り返った先＿＿倉庫のドアには眉間に皺を刻んだマルコが立っていた
否、マルコだけじゃなく、あの女が手に入れたかったらしいイゾウとハルタも一緒にいる
2人ともマルコと同じような表情をし、俺と同じように怒りを押し込んでいるように見えた
「俺もすぐ向かうよぃ。早くAを連れてけ」
「マルコ隊長…なんで……」
「お前らが犯人だって、ある程度目星はつけてたンだよねー。確たる証拠をもらおうと、わざわざ泳がしてただけなんだけど…ホント、笑っちゃうよね？自分に酔いすぎてて」
ほら、と言いながらハルタが取り出したのは映像電伝虫
コイツらの行動も言動も、とっくに筒抜けで自分達で勝手に自滅しただけだ
動かぬ証拠を掴まれた女は、“あり得ない”とでも言わんばかりに目を見開いている
「お前さんの事は調べさせてもらったよ。あちこちで男を誑かしてたみたいじゃねぇか。罪をなすりつけちゃあトンズラして、さぞ愉快だっただろうよ…そんな生活してりゃ俺たちを翻弄するのもワケねぇよなぁ？」
妖艶な笑みを浮かべて話すイゾウ
その右手が懐に入っている時は、まず間違いなく得物を握っている時だ
「だが…お前は過ちをおかしたよぃ。それは….相手が“俺たち”だって事だ」
＿＿あぁ、マルコもガチギレだ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 451人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
茉南(プロフ) - はるさん» 読んでいただきありがとうございます！更新を待っていただける事、とても嬉しいです(^^)のんびりし過ぎて忘れられないよう頑張っていきたいと思っています（笑）これからもよろしくお願いします！ (2月15日 11時) (
レス) @page49 id: 6c919d248d (このIDを非表示/違反報告)
はる - やば、めっちゃ最高…!!ゆっくりでいいので更新待ってます‼ (2月15日 10時) (レス) id: 41084e4d77 (このIDを非表示/違反報告)
茉南(プロフ) - 雨衣さん» いつもありがとうございます(^^)そうなんですよー！原作はみんないなくなってて寂しくて(T-T)彼らを今後どうするか、ある程度考えているのですが…今が楽しくて悩み中です（笑）今後も楽しんでいただけたら嬉しいです！ (12月28日 0時) (レス) id: 936b383323 (このIDを非表示/違反報告)
雨衣(プロフ) - 毎週本当楽しみにしてます！アニメではサッチもイゾウ達もらいなくなるので寂しいんですけど手のなる方へではみんないるから本当癒しになります！！今後の展開が楽しみです！ (12月27日 21時) (レス) @page44 id: ab81a6b8c3 (このIDを非表示/違反報告)
茉南(プロフ) - れなさん» 読んでいただきありがとうございます！文章を褒めていただき、昇天しそうです…。ちまちま書き進めていますので、のんびり待っていただけると嬉しいです(^^)これからもよろしくお願いします！ (12月19日 23時) (レス) id: a9242dc9a9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：茉南 | 作成日時：2023年3月3日 11時
