新時代のヒーロー《ワンピース×ヒロアカ》 (ページ28)

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27話～12年前～ページ28

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緑「そう言えばウタちゃん、急に居なくなったよね？」

ウタが居た日々を思い出し、緑谷は首を捻った。

轟「急にってどういう事だ？」

轟が不思議そうに聞くが、

細かいことは緑谷と爆豪は覚えていない。

緑「え〜〜っとォ………確かァ〜〜」

緑谷が必死に頭の中をかきまわし、古い記憶を手繰り寄せた。

緑「僕とかっちゃんは、

シャンクスさん達が帰ってくるのをいっつも一緒に待っていたんだ。

でもあの日＿＿＿＿＿＿」

～12年前～

幼い頃の緑谷と爆豪は、赤髪事務所が遠征には連れて行って貰えず、

いつも港でみんなが帰るのを待っていた。

赤髪事務所専用の船"レッド・フォース号"が戻ってくると、

緑谷と爆豪はいつも走って行って、

ヒーロー達を出迎えた。

緑「おかえりなさい!」

爆「今回はどんなヒーロー活動してきたんだ!」

帰還したシャンクス達から仕事の出来事を聞くのを、

緑谷と爆豪は何より楽しみにしていた。

でも＿＿＿＿その日はいつもと様子が違った。

社員達は疲れきった表情で、

爆豪の質問にも答えず素通りして、船を降りていったのだ。

緑「あれ？」

爆「なんだよ!いいよ、ウタに聞くから!!」

緑谷と爆豪は船の回りを走りまわって、

ウタが船を降りていくのを待った。

爆「またヒーロー活動の自慢話、聞いてやるよ!

どこだよ、ウター!」

緑「ウタちゃーん!」

しかし、いくら待ってもウタは降りてこない。

いつも真っ先に降りてきて、

得意げにヒーロー活動の話を聞かせてくれるのに。

緑谷と爆豪はだんだん不安になってきてしまった。

船から最後降りてきたのは、

シャンクスだ。

どこか頼りないような足取りで、一歩ずつ階段を降りてくる。

爆「シャンクス!ウタはどこに行ったんだ？」

シャンクスは足を止めた。

麦わら帽子が影になって、表情がよく分からない。

緑「もしかして………ウタちゃんに何かあったの？」

シャンクスは、

骨ばった左手を緑谷、右手を爆豪の頭にのせると、

緑谷と爆豪に語りかけると言うよりは、

自分自身に言い聞かせるような口調で呟いた。

シャ「心配するな、緑谷と爆豪。

ウタはな、

歌手になるために事務所を辞めた。

ただ、それだけだ。」

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赤髪事務所のヒーローは

主に海や島のパトロールをしている設定です