04.実は ページ5
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倹約家で学食大好きな健に連れてこられたのは
時々来る大学の近くの中華料理屋だった。
「五目そばと半チャーハンで」
「天津飯お願いします」
各々適当に頼んで料理が来るのを待ちながら
「………なんで今日学食じゃないん?」
気になっていたことを聞く。
「いや、話したいことあってん」
「なに???」
「実は俺な、
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バンドやるわ」
「…………え、!?」
「まっさんと、あと1人と、バンドやんねん」
"バンドをやる"と突然告げてきた健にびっくりしていると、頼んだ料理が届く。
「いただきま〜す!」
1人手を合わせて美味しそうに食べる健。五目そば美味しそうだな………………
じゃなくて!
「なんで急にバンドなん……?」
"んー?"
健は麺をすすりながらなんてことない顔をする。
「いやなんか、ピアノ弾けるのは分かるけど、なんで今なんかなぁって。軽音部卒業してから別に何もしてなかったやん。ていうか、もうキーボードは嫌やー!とか言ってなかった?」
「いや、まあ、そうやな」
別に何も反対とか、嫌とか、そういう訳では全くなくて。
ただ単に急にそんなことを言う健にびっくりして、私は次の言葉を待っていると
「天津飯冷えんで」
「あぁ……、うんいただきます」
と注意されたので食べ始める。
私が食べ始めたのを確認すると、
健はなぜバンドをやることになったのか、という経緯を話してくれた。
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作者名:#puppy | 作成日時:2021年6月23日 23時