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23.帰り道 ページ24
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それからは練習後に少しでも時間があれば、佐野くんは勉強しに来た。
"高校3年生の夏なんて本当にあっという間ですね…"
と毎日練習と受験勉強で大変そうな佐野くん。
今日もいつものように、閉店時間まで真剣に勉強していた佐野くんとたった15分の帰り道が少しでも息抜きになればとお話しする。
「もうすぐ、夏終わっちゃうなー」
「ですねえ……」
「夏祭りとか行きたかったなあ…」
「…………」
「……佐野くん？」
「…あ、ごめんなさい。ちょっとぼーっとしてました笑」
だけど、いつもよりなんとなく会話が弾まなくて、佐野くんもどこか上の空で。
「練習に受験勉強に本当に大変だし疲れてるよね。大丈夫？」
「………はい、全然。僕まだ高校生なんで！」
"もうそれ大学生の私に喧嘩売ってる〜？笑"
なんて柄にもなくおちゃらけたりしてみるけど、やっぱりどこか元気がない佐野くん。
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なんとなく胸のざわつきを感じたけれど、見ないフリをしてみる。
でも
「……佐野くん、泣いていいのに」
我慢できなくて、佐野くんの顔を覗き込んだ。
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作者名：#puppy | 作成日時：2021年6月23日 23時
