20.15分 ページ21
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『佐野くん1人じゃ危ないから』
『いや、Aさんの方が危ないですから笑笑』
なんて、私のだいぶ強引な誘い方で一緒に帰る………というか、基本私の家が先だからいつも送って貰う形になってしまっているのだけれど。
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バイト先から家までは、普通に歩くと10分あるかないかくらいの距離。
それをちょっとでも長く佐野くんと過ごしたくて、気持ちゆっくり歩いて15分かけるずるい私。
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多くて週3日、15分の帰り道で佐野くんとたくさんお話をした。
佐野くんの生い立ちや、クレイジーなお父さん・お兄ちゃんのこと。
音楽を始めたきっかけ。
学校のこと。
今ハマっているものやオススメの音楽、色んな話を聞いて佐野くんの音楽に対する愛に人として尊敬も覚えた。
佐野くんは話すのが上手くて、いつも引き込まれるし聞いていて飽きない。
佐野くんとの帰り道の私はいつも笑っている気がする。
「Aさんのことも聞きたいです、小島くんとのこととか笑」
「健と私？笑」
「ほんまに小島くんと女の方が一緒にいるの想像つかなくて笑 あの日の衝撃は忘れません笑」
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"実はめちゃくちゃ盗撮しちゃってましたもん笑"
と笑いながらあの日の写真を見せてくれる佐野くん。
こんなに佐野くんのことを知ってしまったら、もう後戻りなんてできる訳がなくて。
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話す度に、また次一緒に帰る日が楽しみになったし、話す度に好きな気持ちが大きくなっていった。
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作者名：#puppy | 作成日時：2021年6月23日 23時
