20話 ページ21
私side
荒北さんとカップルのフリをするようになってから学校で男の人からしつこく話しかけられたり、連絡先を聞かれたりすることが全くなくなり、彼氏パワー(多分荒北さんパワー)の凄さを痛感している。
偽カップルと、知っているのは3年生のインハイメンバーだけで尽八さんは
東堂「彼氏のフリは俺がしてやるから荒北から離れるんだA〜〜〜〜!!!!」
と泣きつかれたが、もし尽八さんと付き合ったらファンの方々にぶっ殺されそうなので遠慮した。
福富さんと新開さんは部室まで私に付けてきた男の人や、荒北さんの周りに女の子が集まって荒北さんが練習中キレ気味だったことに困っていたのであっさり承諾してくれた。
建前上カップルなので荒北さんは毎日朝は女子寮まで迎えに来てくれて、昼は一緒に食べて、部活終わりは女子寮まで送ってくれる。
一緒にいる時間が増えて私たちは色んな話をした。
好きな食べ物の話や、学校であったこと、昔の話。
気付いたら、荒北さんと過ごすことが私の生活の1部になっていた。
でも所詮はカップルのフリ。
だから私は最近この立場に満足できないでいた。
彼の不器用な優しさ、たまに見るくしゃっと笑った顔、一つ一つのことに全力で取り組む姿。
私は荒北さんに惚れてしまった。
もっと彼の中に踏み込んでみたくなった。
彼のことを知る度に嬉しくてそしてもっと知りたくなった。
でも、もしこの気持ちを伝えたら今の関係は終わってしまうだろう。
それだけは絶対にイヤだ。
だからもっとわがままになってしまう前に、荒北さんの全てが欲しくなる前に止めなければならない。
でも彼の姿や声を感じると頭ではわかっていても体が勝手に動き出す。私の心の底に眠っている何かが彼を掴もうとする。
抑えろ、私。
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夜叶莓ァ - 続き待ってます!まさかの、最推しが、好きになってくれてびっくりでした!続き早く見たいです!! (2019年10月1日 20時) (レス) id: 0911caef0d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紅 | 作成日時:2018年12月18日 20時