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...
｢うわー、ホコリっぽ。｣
収納から引っ張ってきた脚立に乗って、高い棚の上を見る。すると、何年か分のホコリさんが静かに暮らしていた。恐ろしい。
時刻はまだ5時と少したった頃。さすがに慧くんを起こすには早いと思った俺は、何故か掃除がしたくなった。綺麗好きだからさ。
｢っ...けほっ、｣
割烹着を着たおばちゃんがほうきを逆さまにしてパタパタするやつを真似てみると、案の定というか、まあ当然のことながら
盛大にホコリさん達が俺に降ってきた。まるで数年分の不満をぶつけているようだ。
｢小さいのが出たんだよなー、ほしいな〜。｣
ボタンを押すだけで、俺の代わりに勝手に掃除をしてくれるロボットに床を託し、グチャグチャにした覚えのない本棚を整理する。
慧くんのために買ったウサギの絵本(KINGで読んだやつ)、映画化する人気小説、料理本。
大きい方から順に並べていって、角の出っ張った分厚いものを取り出す。アルバムだ。
｢あれ、なんだこれ。｣
開くと、俺の写真がギッシリ。幼稚園の発表会、遠足、6歳の誕生日、大きなランドセル。
そこに写る母ちゃんはまだまだ若くて、俺が言うのか、綺麗だ。
写真に残る丸い跡。古いものには大粒のそれが、乾いてシミになっている。
撫でると、少しザラザラとした感触。おかいしな。前見た時にはこんな跡、なかったと思うんだけど。
暫く昔の懐かしい写真を眺めていると、パサっと半分に折られた紙が落ちた。カド合ってない。
｢...！は、はぁ！？｣
時刻は6時半。どうやら昔の写真に夢中になっていたようだ。そして、アルバムの中から出てきたそれは...、
｢『お弁当のおしらせ』...か。｣
慧くんの通っているひまわり幼稚園は、月に一度『お弁当の日』があるそう。
それが今日だなんて...。
｢聞いてないっ...！｣
そろそろ起こしに行こうか。今日はまったり着替えやら朝ごはんやら食べる時間がありそうだ。だなんて、そんな気持ちを吹っ飛ばす。
ドタドタと足音を立てて、腕を捲りながらキッチンに走る。
冷蔵庫の中身...そうだ。昨日の残り物を入れよう。
｢ほうれん草とトマト。うん、いい色合い。｣
クリスマスじゃん...。って苦笑いする。
誰かにお弁当を作るだなんて初めてだから、時間がないにもかかわらず、じっくり作ってしまった。
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龍晴(プロフ) - 本当に、素敵な作品ありがとうございました。これからも、頑張ってください！ (2018年10月18日 18時) (
レス) id: 09f81ce775 (このIDを非表示/違反報告)
JUMPLOVE - とても心温まる作品だと思いました！今後も頑張ってください！！！！！！ (2018年8月24日 1時) (レス) id: f4e667ae46 (このIDを非表示/違反報告)
フェアラーが跳びます(プロフ) - 感動しました! 他の作品も頑張ってください。 (2018年3月28日 11時) (レス) id: 8f4ea0c48a (このIDを非表示/違反報告)
nanami?(プロフ) - とても素敵な作品です！続きが読んで見たいです。 (2018年3月23日 15時) (レス) id: 6d821c8069 (このIDを非表示/違反報告)
名無し11746号(プロフ) - 未来が見てみたいです！ とてもステキな作品ですね！ (2018年3月17日 19時) (レス) id: 514045eef7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆりあ
| 作成日時：2016年11月22日 21時
