お う ち に か え ろ う ね 。２

■： ページ15

...









「慧くんの母親、再婚して、やり直そうとしていたんだ。」


「...え？」




深夜の病院。普通なら急患しか入れないだろうに、ドアの前で頭を下げていたら光君たちが出てきてくれた。


ドアが開くと、警備員さんが驚くなか、大ちゃんに抱きしめられた。俺ってそんなに情けない顔してたのか。




「...まぁ、見た目まだ若いし、ちょっとチャラチャラした感じだけど...


.




お腹に、子どももいる。」


「...そう、なんだ」




そっか...慧くん、お兄ちゃんになるんだね。




「たまたま産婦人科でね。ほかのドクター達も知ってたから、すぐに連絡が来たんだ。」


「慧くんのこと、探してたみたいで。ひかのこと、めっちゃ問い詰めてた。」


「え...なんか、ごめん。」




どうやら慧くんは、本当のお母さんと、これからお父さんになる人と、お腹にいる子供と一緒に、幸せに暮らしているようだ。


でも...お別れを言えなかったことが、
ものすごく悔しいと思えて仕方がなかった。

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