■：いつかは来ると思ってた ページ14
...
カランコロン、と鈴が音を鳴らし、店に入る。
店内は、いつも香る珈琲と少し甘めの匂いが漂っていた。
「こんにちはー」
「いらっしゃい、山ちゃん。」
お客気取りで店員さんに挨拶をすると、にたっと笑ってくれた髪が伸びてきた圭人。
「あ。あれでしょ。いつものやつ」
どうぞーなんて席に通されて、ホストみたいに椅子を引いてくれる。
なんだか今日は、店の中も、圭人にも、違和感を感じる。
「お待たせしましたぁー」
お約束の本格ココアと、サービスの粉砂糖がかかったチョコレートケーキがお皿に乗って運ばれてきた。慧くんには砂糖菓子付き。
「ん、うま！」
「...おいしい。」
ココアの膜が、ヒゲみたいになってるーなんてケラケラ笑っていたら、...
突然、ガバッと乱雑に開けられた店のドア。
「お客様。そろそろ閉店時間ですので...」
マスターが申し訳なさそうに店内に出てきて、頭を下げる。圭人も、俺の横で腰を折った。
普通のお客さんは、ここで去っていくのだか、入ってきたお客さんは、
俺の目の前にある、背もたれが余った席。そこにズカズカと進み、手をぐい、と掴んでこう言ったのだ。
「ここにいたのね...、さあ。
ママと一緒に帰りましょう。」
高価なワンピースに、ジャラジャラと首や手首に下げられたアクセサリー。
顔の半分を覆ってしまうほどのサングラスには、
今にも泣き出しそうな、喜ばしいような、悲しみか感動の境目で揺れる瞳をした慧くんが映っていた。
「...慧。
パパも待ってるから。」
女性の細く伸びる左手薬指に嵌め込まれているのは、ジュエルが沢山ついた、キラリと光る結婚指輪。
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龍晴(プロフ) - 本当に、素敵な作品ありがとうございました。これからも、頑張ってください！ (2018年10月18日 18時) (
レス) id: 09f81ce775 (このIDを非表示/違反報告)
JUMPLOVE - とても心温まる作品だと思いました！今後も頑張ってください！！！！！！ (2018年8月24日 1時) (レス) id: f4e667ae46 (このIDを非表示/違反報告)
フェアラーが跳びます(プロフ) - 感動しました! 他の作品も頑張ってください。 (2018年3月28日 11時) (レス) id: 8f4ea0c48a (このIDを非表示/違反報告)
nanami?(プロフ) - とても素敵な作品です！続きが読んで見たいです。 (2018年3月23日 15時) (レス) id: 6d821c8069 (このIDを非表示/違反報告)
名無し11746号(プロフ) - 未来が見てみたいです！ とてもステキな作品ですね！ (2018年3月17日 19時) (レス) id: 514045eef7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆりあ
| 作成日時：2016年11月22日 21時
