■:濡れたほっぺ ページ1
...
「...ただいまー。」
店の扉を開く。背中にビュンと風が吹き付けて、無理やり俺を中に押し込んだ。
店の中を見ると、もうテーブルの上に椅子が上げられていて、少し照明も落ちている。
「遅かったんじゃない?もう待ちくたびれちゃってるよ。」
あんなに警戒心の強い慧くんが、圭人の腕の中で寝息を立てていた。
...なんだろう。安心している自分がいる。
よかった。どんな顔して会ったらいいか、悩んでいたから。なんて、思う俺は最低だよな。
「...ごめん。助かったよ。」
圭人から眠っている慧くんを受け取ると、うっすら顔が和んだ気がした。
そんな慧くんを見て、変に力が入り強ばっていた頬が柔らかく緩んだ。
「...涼介、大丈夫?」
「へ、...なにが?」
急に真剣な表情の薮ちゃんが、俺の顔をのぞき込む。そんな薮ちゃんこそ、一日の終わりで疲れた顔を隠せてはいない。
時刻は21時を回った頃。車の中で、グルグルと頭の中を回っていたことが時間を捨てていた。
「泣いたんじゃないの?」
見えるのは、窓から差し込む月の光だけで、薮ちゃんの心配そうな表情を照らしていた。
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龍晴(プロフ) - 本当に、素敵な作品ありがとうございました。これからも、頑張ってください! (2018年10月18日 18時) (レス) id: 09f81ce775 (このIDを非表示/違反報告)
JUMPLOVE - とても心温まる作品だと思いました!今後も頑張ってください!!!!!! (2018年8月24日 1時) (レス) id: f4e667ae46 (このIDを非表示/違反報告)
フェアラーが跳びます(プロフ) - 感動しました! 他の作品も頑張ってください。 (2018年3月28日 11時) (レス) id: 8f4ea0c48a (このIDを非表示/違反報告)
nanami?(プロフ) - とても素敵な作品です!続きが読んで見たいです。 (2018年3月23日 15時) (レス) id: 6d821c8069 (このIDを非表示/違反報告)
名無し11746号(プロフ) - 未来が見てみたいです! とてもステキな作品ですね! (2018年3月17日 19時) (レス) id: 514045eef7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆりあ | 作成日時:2016年11月22日 21時