Prologue ページ2
＃
トクトクと触れるような鼓動
…ちゃんと、動いてる。
その白い背中をさすってやれば、
薄い胸板が当時の記憶を掘り起こしていく。
てろんと力の抜けた手は、日焼けをしていて男っぽい
…そんな言葉は似合わないけど
目を瞑ると、あの時見たあいつの涙が
瞼の裏に映って、俺をアツくさせた。
.
『けい、お庭にいこうよ！』
『うん。あったかくしてこ』
出会って2年、小2の春
けいは俺より少し大人で、いつも笑ってた。
『慧、脱走しね？』
『おう。あの、神社までなら』
出会って7年、中1の夏
慧はいつも俺の提案に乗ってくれた。
脱走場所は、いつでも近くの神社だった
「伊野尾、散歩行こーぜ」
「は？俺は忙しいんだよ」
「んなこと言うなよ、行こうぜ」
「仕方ないな。10分だけだぞ」
出会って20年、医者になってまだ少し
2人で、2つのいのちに出会った。
けいは、俺の前ではずっと笑顔で
慧は、隠れて泣いていたんだ
伊野尾は、照れ屋で隠し事が上手い
気がつけば、お前と出逢って20年が経っていた。
「伊野尾、回診行くぞ」
「はいはい。薮、ハンカチ貸して」
「は？衛生管理できねぇ医者ってどうなの」
「うるさい。今日は無かっただけ」
「あ、青いの？俺があげた、猫のやつ？気に入ってんだ」
「うるさい。ほら、涼介たちが待ってる」
ねぇ、先生？
俺たち医者になったよ
ちゃんと2人で、頑張ってるよ。
『泣いてるの？』
『ちがうっ…』
伊野尾は、今でも変わってないよ。
「俺の胸貸そうか？」
「っ…ちょっとだけ」
いや、ちょっと素直になったかな。
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ゆりあ(プロフ) - ももさん» ありがとうございます(；_；)2年間何もお知らせすることがなく、放置してしまってすみません(；-；)伊野尾くんの病系、たくさんあるのでしっかり弱らせていただきます◎← (2020年12月31日 13時) (
レス) id: 551d67bbc3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりあ(プロフ) - にゃごさん» 待たせてしまっている上にこんなになよなよしい作者でごめんなさい(；_；)伊野尾くんの弱りはたくさん用意してあるので、ご安心ください◎ (2020年12月31日 13時) (レス) id: 551d67bbc3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりあ(プロフ) - ふゆさん» 読み返していただきありがとうございます(；_；)伊野尾くんですね！了解しました◎入れられそうなところに入れてみようと思います！ (2020年12月31日 13時) (レス) id: 551d67bbc3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりあ(プロフ) - Aさん» ありがとうございます( ; _ ; )めちゃめちゃ好きなシチュエーションです……うぅ〜書きたい！ちょっと考えてみようかな…… (2020年12月31日 13時) (レス) id: 551d67bbc3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりあ(プロフ) - くまさんさん» ありがとうございます(；_；)薮くんの病系もしっかり用意してあります！コンセプトにばっちりです！◎ (2020年12月31日 13時) (レス) id: 551d67bbc3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆりあ
| 作成日時：2018年3月9日 19時
