夏色なみだ【kota × kei】

Summer festival ページ29

＃こうた







朝の目覚ましは、侑李先生の声ではなく




圭人「…！ほんとに、それでいいんだね？」


慧「もう決めたことだから」




こんな会話だった。




宏太「…慧、」




言ったんだ


移植を受けること




圭人「っ、櫻井先生に、言ってくる！」




あ、行っちゃった


走り出すなり壁に体をぶつける圭人先生は、初めて会った時から印象は変わってない


っていうか、もう研修医じゃないのに




侑李「宏太〜、あ、起きてる」




侑李先生も、変わらず俺たちの担当を持ってくれているのはなぜだろう


主治医は智先生だけど、昔と変わらず俺たちを診てくれている。


他の患者さんで忙しいはずなのに




宏太「うん、早起き」


侑李「慣れてきたね」




朝起きれないのは普通だと思っていた。


俺の病気、良くなってるってことかな




慧「せんせー」


侑李「お、なに？」


慧「点滴やってよ」




そういえば、圭人先生が戻ってこない


どこまで行ったんだろ。




侑李「いーよー」


慧「やった、ラッキー」




あ、


侑李先生が点滴うまいの、知ってるな




侑李「どう？調子は」


慧「普通だよ」


侑李「……昨日、ちゃんと寝た？」




慧の瞼を触ったり、裏を見たりする侑李先生は、怪訝な顔でそう言う




慧「、寝たよ」


侑李「なにその間」




怪しい…、なんて顎に手を置く侑李先生


なんかちょっと、かわいい？

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