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side*涼介
涼介「はぁ……」
1人になったお湯の中で、目を閉じるとライブの光景が脳裏に蘇る。
楽しかったなぁ…幸せだった。
わらわらと揺れるペンライトに宙を舞う特効。みんな笑顔で、きらきらしてて。
大好きなあの時間。
きらきらな景色にマイクを握って、踊って、ウインクして。
涼介「…」
………幸せに浸っていたのに、いつの間にかプツッと途切れた思い出。
真っ暗な世界に取り残される。
涼介「………はぁ、苦しい…」
首まで浸かると、水圧に呼吸が邪魔をされて苦しい。
温泉に来るといつもこうだ。…と、段差の部分に座り直し手すりに頭を付ける。
涼介「…は、」
やっと息が楽になった。
.
.
ーーーて、る…………?
ーーーま、……お………ろ……
涼介「…?」
大貴「おいいつまで入ってんだ。」
涼介「ぁ…………だいちゃん、」
聞こえた声に目を開けると、揺すられた体はさっきと同じでお湯の中。
狭い視界の中には、体を赤くさせた大ちゃんがいて。俺の腕を掴んで、眉間にしわを寄せて。
大貴「手ふやけてんじゃん。早く上がりな。」
なんで大ちゃんが…
てか俺、もしかして寝てた?
大貴「大丈夫?」
涼介「ん……」
ぁ…なんか胃がむかむかする、
胸と食道のあたりに悪いものがぐるぐると渦を巻いて。これはなんというか……
涼介「っ、だいちゃん…」
大貴「ん?」
涼介「吐、く……」
1人じゃどうにもできないやつだ……
大貴「え、吐きそう?と、とりあえず出るぞ。絶対のぼせてるから。」
涼介「ッ…」
大貴「足つける?、動くの無理?………ぉわっ…!」
重たく息を吐き、立とうとしたその時。
体が勝手に揺れて、敷き詰められたタイルの上に座り込んでしまった。
涼介「……はぁっ」
大貴「行くよ。ここじゃ悪化するだけだ。」
ぐらぐらと目眩のする頭を厚い胸板に押し付けて、首に回した手に力を込める。
大貴「ちょっと揺れるけど我慢してね。」
涼介「っん……」
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ゆりあ(プロフ) - JUMPLOVEさん» 大変遅くなってしまい申し訳ありません(;_;)また更新を再開致しましたので、ぜひご覧下さい…! (2021年6月1日 21時) (レス) id: 551d67bbc3 (このIDを非表示/違反報告)
JUMPLOVE - 久しぶりに山田さんの病系を読もうと思ったら、またまたゆりあさんが素晴らしいお話を…!!だいぶ遅くなってしまいましたが、イケメン兄貴・有岡さんとツンデレ・山田さんにやられました…もうほっぺゆるゆるです!!笑 次のお話も楽しみに待ってます!( ´∀`) (2021年3月29日 0時) (レス) id: 8ab2b29f53 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりあ(プロフ) - JUMPLOVEさん» ありがとうございます…!!病系以外のこともお褒めいただいて光栄です(;;) 私の書くありやまちゃんを「大好き」と言っていただけるなんて…うぅ、これからも頑張ります(;;) (2021年2月8日 11時) (レス) id: 551d67bbc3 (このIDを非表示/違反報告)
JUMPLOVE - これ以上有岡さんがイケメン兄貴への道を進んでしまったら私は正気でお話を読める自信がありません(めちゃくちゃ褒めてます)。ゆりあさんの書く有岡さんが大好きなんです…!!これからもっと進化するのかと考えたらもうワクワクが止まりません!!(´∀`=) (2021年1月30日 17時) (レス) id: 8ab2b29f53 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりあ(プロフ) - にゃんこさん» ありがとうございます……!頑張ります(;_;) (2021年1月19日 23時) (レス) id: 551d67bbc3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆりあ | 作成日時:2021年1月8日 21時