Episode.30 ページ42
side*大貴
「これくらいちゃんと食べなさい。体持たないよ。」
「はっ、こんな量、昨日まで絶食中だった人に普通食わせるか!?」
「それ。成人男性の一食分の摂取カロリーの、半分にも満たない量だよ。」
「ムリムリ。食えないもん。」
メイク室から出て廊下を歩いていると、耳に入ってきた3人分の声。
騒がしい言い合いをするその声は、開けっ放しで光が漏れる楽屋からのものだった。
光「いーから食べなさい。もう撮影終わってんでしょ?」
慧「そのままふらふら〜ってしてたら、今日来るお客さん不安にさせちゃうよ。」
涼介「それはっ…やだ……でも食えないよこんなに、」
楽屋に入りいじっていたスマホから顔を上げると、テーブルの上には隣の部屋にあったケータリングが皿にちょこちょこっと盛られていて。
それを目の前に小さくなる山田は、カリカリしてるヒカと腕を組んで肩を竦める伊野ちゃんに挟まれていた。
慧「俺のプロテインにする?」
涼介「やだ…その種類きらいだもん、」
光「本番中でも俺の梅干しにしとくかー?」
涼介「すっぱいのもやだ…」
食べられないと駄々をこねる山田に、選択肢を用意してあげる2人。
だが…
涼介「もぅ2人ともうるさい。ほっといて…」
光「あ、ちょっと!」
間髪を容れずに次々と声をかける姿は、まるで過保護なお兄ちゃん。
うんざりとした山田は近づきすぎな2人の顔を手で押しのけると、ドラムスティックの手入れをする裕翔の隣にくっつきに行った。
大貴「フラれた?」
慧「あの生意気が。」
光「はんっ、誰に似たのかしら。」
…ぁあ、兄じゃなくて親だったか。
片手で目を抑えて肩を落とすと、目に入ったパックのジュース。
プレートに乗ったそれを手に取ると、ドラムを叩かせて貰っている山田に近づき、編み込まれた髪にそっと触れる。
大貴「とりあえずジュースくらいは飲みな。糖分摂っときゃなんとかなんじゃない。」
光「おい有岡!お前はホントそーゆーとこ甘いぞっ!」
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ゆりあ(プロフ) - JUMPLOVEさん» 大変遅くなってしまい申し訳ありません(;_;)また更新を再開致しましたので、ぜひご覧下さい…! (2021年6月1日 21時) (レス) id: 551d67bbc3 (このIDを非表示/違反報告)
JUMPLOVE - 久しぶりに山田さんの病系を読もうと思ったら、またまたゆりあさんが素晴らしいお話を…!!だいぶ遅くなってしまいましたが、イケメン兄貴・有岡さんとツンデレ・山田さんにやられました…もうほっぺゆるゆるです!!笑 次のお話も楽しみに待ってます!( ´∀`) (2021年3月29日 0時) (レス) id: 8ab2b29f53 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりあ(プロフ) - JUMPLOVEさん» ありがとうございます…!!病系以外のこともお褒めいただいて光栄です(;;) 私の書くありやまちゃんを「大好き」と言っていただけるなんて…うぅ、これからも頑張ります(;;) (2021年2月8日 11時) (レス) id: 551d67bbc3 (このIDを非表示/違反報告)
JUMPLOVE - これ以上有岡さんがイケメン兄貴への道を進んでしまったら私は正気でお話を読める自信がありません(めちゃくちゃ褒めてます)。ゆりあさんの書く有岡さんが大好きなんです…!!これからもっと進化するのかと考えたらもうワクワクが止まりません!!(´∀`=) (2021年1月30日 17時) (レス) id: 8ab2b29f53 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりあ(プロフ) - にゃんこさん» ありがとうございます……!頑張ります(;_;) (2021年1月19日 23時) (レス) id: 551d67bbc3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆりあ | 作成日時:2021年1月8日 21時