頑張り屋さん ６

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side*涼介









大貴「どした……？」

涼介「んー、なんか痒いなぁって。」




気づいたら、手首から腕の辺りの痒みに、爪を立てて搔いていて。


自分の体のくせに、無意識にやっていたことに大ちゃんの言葉で気付かされる。




大貴「あんま掻いたら血出るよ。てかそれ平気なやつ？」

涼介「金属かなぁ……」




これも駄目かぁ……と、


すでに広がっている湿疹と、ぽつぽつと出始めた蕁麻疹らしきものにムっとしながら、付けていたブレスレットを外す。




大貴「氷もらって冷やそう？」

涼介「これくらいなら大丈夫。」

大貴「ほんと？なんかあったら言えよ？頼り方分かるね？」

涼介「わかってるわかってる。」




大ちゃんからの質問攻めに遭いながらも、


カメラに映るのなんて嫌だし、捲っていた袖を直して腕を隠した。









.









涼介「……げほっ、ん…………っ」




なんか喉がイガイガする……それに肺がチクチクして痒い。


なんとなく息もしにくい気がするし……


埃っぽくないはずなのに何でだろ……。




「でさ…………んとき…………そんで……」

涼介「けほっけほ、…………っぅ」




自分の咳が音声に乗らないよう、抑えるのに必死で、誰が話しているのか分からない。




「……おい、」

涼介「っ、ん……？」




前のめりになっていた体に触れたのは、




大貴「お前ほんとに大丈夫？」




……大ちゃん、で。


優しく背中をさすっては、音が拾われないようにマイクを押さえ小声で聞いてくる。




涼介「平気……だとおも、ぅ……ゲホッ！はぁっ……！」

大貴「おいっ……ちょっと、！！」

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