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side*涼介
…頭がぐらぐらする。
足が痺れてきた。
涼介「…………」
出かける準備をしないと行けないことくらい、わかるのに。
地べたに座り込んだまま、まるで抜け殻のように身体が言うことを聞かない…
涼介「……っ、」
何かが迫ってくる気配がする。
それは、だんだんこっちに向かってきていて。
涼介「…ぃ……や、ぁ!」
手に掴んだものをドアの方向へ投げて、壁に当たったそれは粉々になったガラスに混ざる。
…やだ。何が起こってるの、何が襲ってくるの…
何も聞こえない耳を押さえ、押しつぶされるような感情だけが支配して。
涼介「ーーーっ、!!」
.
?「………っおい!」
涼介「、!?」
遠くの方で声がした。……同時に、掴まれた肩がガシガシと揺らされる。
…この、乱暴な感じ。
ギュッと瞑っていた目を恐る恐る開けると、
涼介「っ…………だぁ……ちゃ、ん…」
大貴「うん。……迎えに来たよ。」
ぎゅ、と抱きしめてくれた大ちゃんの胸におさまると、急に現実に引き戻される。
…どうしよう。こんなところ、隠す前にバレちゃうよ。
……どうしてこんなに散らかってるの。どうして血が出ているの。どうして、どうして……
大貴「……沁みたらごめんね。」
涼介「………」
大ちゃんは俺の手を取ると、固まった血を濡れたガーゼで優しく撫でる。
消毒液を染み込ませると、今度はちょん、と恐る恐る傷口につけた。
涼介「っ、」
大貴「痛い?結構深いもんな。握ったろ。」
大ちゃんの声を、俺は音として認識していた。
傷口に集中して口元が見えなくなると、何を言っているのかは分からなかったけど…。
涼介「………なんで、」
大貴「んー?」
涼介「…なんで来た、の。」
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ゆりあ(プロフ) - JUMPLOVEさん» 大変遅くなってしまい申し訳ありません(;_;)また更新を再開致しましたので、ぜひご覧下さい…! (2021年6月1日 21時) (レス) id: 551d67bbc3 (このIDを非表示/違反報告)
JUMPLOVE - 久しぶりに山田さんの病系を読もうと思ったら、またまたゆりあさんが素晴らしいお話を…!!だいぶ遅くなってしまいましたが、イケメン兄貴・有岡さんとツンデレ・山田さんにやられました…もうほっぺゆるゆるです!!笑 次のお話も楽しみに待ってます!( ´∀`) (2021年3月29日 0時) (レス) id: 8ab2b29f53 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりあ(プロフ) - JUMPLOVEさん» ありがとうございます…!!病系以外のこともお褒めいただいて光栄です(;;) 私の書くありやまちゃんを「大好き」と言っていただけるなんて…うぅ、これからも頑張ります(;;) (2021年2月8日 11時) (レス) id: 551d67bbc3 (このIDを非表示/違反報告)
JUMPLOVE - これ以上有岡さんがイケメン兄貴への道を進んでしまったら私は正気でお話を読める自信がありません(めちゃくちゃ褒めてます)。ゆりあさんの書く有岡さんが大好きなんです…!!これからもっと進化するのかと考えたらもうワクワクが止まりません!!(´∀`=) (2021年1月30日 17時) (レス) id: 8ab2b29f53 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりあ(プロフ) - にゃんこさん» ありがとうございます……!頑張ります(;_;) (2021年1月19日 23時) (レス) id: 551d67bbc3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆりあ | 作成日時:2021年1月8日 21時