■： ページ30
side*涼介
だるい……
ふわふわする、…………
涼介「…………ん」
ここどこだ……？目の前がチカチカして、よく見えないんだけど……。
ていうか、体が鉛のように重いし、ふかふかの中に沈む感覚に瞬きすらも億劫で。
涼介「……けほ、」
ヒリヒリと焼ける喉を抑える。
乾燥した唇が切れて痛い。
涼介「…………はぁ…、」
腰が重くて、体の節々も痛いし、布団の中の熱を逃がそうと寝返りを打つと肩が出て寒かった。
＿＿＿カサっ、
明らかに、じりじりと感覚のおかしい手のひらに感じる人の体温。
涼介「…………。」
……ここに、さっきまで誰か居たような
…………そんなような温もりが、まだ残っている……気がする。
涼介「……そんなわけ、」
……ない。
そう、思いたくなくて。
掴んだシーツに力を込めると、もう一度開く。
.
ーーーそうそう、それで今、山田ん家に来てるんだけどさ。
涼介「っ……」
ーーーえ？寂しがってる？まだ寝てると思うけどなぁ……あぁ、咳が酷くてさ。やっと寝たとこなんだよね。
涼介「んん、……」
ーーーそれで、この前のロケ一緒だったんでしょ？そこでもらったのかね。って、高木と話してた。
涼介「っ……！」
……熱に浮かされた頭でも、ちゃんと理解した。
涼介「……やだ、……ぁ…………。」
ーーー何か体調に変化はある？いやぁ……一応さ、インフルだったから。
涼介「……。」
ドアの向こうで聞こえるのは、大ちゃんの声。
会話の内容。電話の相手。
……もう予想はつく。
うつしちゃったら嫌だな……
.
がちゃ……
大貴「……あ、起きたの？」
涼介「……。」
部屋のドアを開けるなり、ぱっかり割れた前髪がひょこっと覗く。
大貴「風呂借りたー。ついでに洗っといた。」
裾も足りるし、袖もピッタリ。
俺の部屋着を勝手に着ている大ちゃんは、どうだ、助かるべ。なんて顔をする。
涼介「……頼んでない」
大貴「はは、言うと思った。」
涼介「……帰って」
大貴「それも分かってた。」
……。
インフルでしょ……？うつったらやばいじゃん、
涼介「……体壊したいの」
大貴「少なくともお前よりはいいかな。」
……なにいってんの、
ほんとバカ……
大貴「……さみしかった？」
涼介「……へ、」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1536人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「Hey!Say!JUMP」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆりあ(プロフ) - JUMPLOVEさん» 大変遅くなってしまい申し訳ありません(；_；)また更新を再開致しましたので、ぜひご覧下さい…！ (2021年6月1日 21時) (
レス) id: 551d67bbc3 (このIDを非表示/違反報告)
JUMPLOVE - 久しぶりに山田さんの病系を読もうと思ったら、またまたゆりあさんが素晴らしいお話を…！！だいぶ遅くなってしまいましたが、イケメン兄貴・有岡さんとツンデレ・山田さんにやられました…もうほっぺゆるゆるです！！笑 次のお話も楽しみに待ってます！( ´∀｀) (2021年3月29日 0時) (レス) id: 8ab2b29f53 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりあ(プロフ) - JUMPLOVEさん» ありがとうございます…！！病系以外のこともお褒めいただいて光栄です(；；) 私の書くありやまちゃんを「大好き」と言っていただけるなんて…うぅ、これからも頑張ります(；；) (2021年2月8日 11時) (レス) id: 551d67bbc3 (このIDを非表示/違反報告)
JUMPLOVE - これ以上有岡さんがイケメン兄貴への道を進んでしまったら私は正気でお話を読める自信がありません(めちゃくちゃ褒めてます)。ゆりあさんの書く有岡さんが大好きなんです…！！これからもっと進化するのかと考えたらもうワクワクが止まりません！！(´∀｀=) (2021年1月30日 17時) (レス) id: 8ab2b29f53 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりあ(プロフ) - にゃんこさん» ありがとうございます……！頑張ります(；_；) (2021年1月19日 23時) (レス) id: 551d67bbc3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆりあ
| 作成日時：2021年1月8日 21時
