■: ページ25
side*大貴
大貴「……。」
収録が終わり、こてんと乗せた頭はいつの間にか首の匂いを嗅いでいて。
大貴「なぁ……それ他所でもやってんの?」
涼介「……ぃーやっ?」
大貴「あっそ。」
……っかぷ、
大貴「てかお前熱くね?今日何度あんの。」
涼介「……うん、ななど。」
体調が安定しないと噛みグセのある山田は、俺の耳を口に入れたままいい加減な体温を言う。
そのまま右手で山田の顎に触れると、明らかに発熱している感じの肌だった。
大貴「絶対もっとあるって。高木、体温計。」
受け取った体温計を挟もうと襟を掴むと、ヒュっと鎖骨が浮くのが見える。
……あれ、これって確か
涼介「げっほ、けほっ…………ひぅ、」
大貴「息しんどい?」
鼻も詰まって口呼吸だし、時々気管支が狭まった音まで聞こえる。
また喘息か……?
大貴「病院行くよ。高木、」
雄也「分かった。車あっためとくね。」
涼介「やだ、待って……平気だ、って……」
さくさく準備を進める俺たちに、山田の熱い手が触れる。
大貴「ん、大丈夫大丈夫。……苦しいの取ってもらお。熱も下げた方が体楽でしょ?」
やだよ……って拒否を示す山田の手を掴み、絡み取ったあとでしっかり握ってやる。
涙を拭った先に熱を確認すると、38度9分の高熱で。
大貴「なんも気にしなくていいから。ほら、一緒に立つよ?」
涼介「っん…………」
首に手を回したのを感じると、腰を支えて立ち上がる。
黒のバケハをすっぽり被せ、頭を寄せると抵抗せずに体を俺に預けた。
.
雄也「ちょっと道混んでるかも。大丈夫?」
運転する高木の声に、黒い窓を凝視すると道路は間隔を空けず車でいっぱいだった。
大貴「あ、こら叩かないの。」
涼介「……いたい、」
大貴「足痛いの?関節痛かな……」
痛い、と膝を叩いたりつねったりするのを辞めさせ、なでなでするもあまり意味を成さないみたいで。
涼介「はぁ…………あたま、痛いかも」
大貴「熱高いからかね。息は?苦しくない?」
吐息に混ぜて言葉を流すだけの山田は、怠そうに質問に答えた。
なんとなく熱も上がったように感じるし、ほんとにただの風邪か……?
涼介「……横になりたい、」
大貴「俺の膝じゃ足りない?」
まだ若干震えてるし、熱上がるのかな。
季節的にあれかな……厄介だぁ……
1536人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「Hey!Say!JUMP」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆりあ(プロフ) - JUMPLOVEさん» 大変遅くなってしまい申し訳ありません(;_;)また更新を再開致しましたので、ぜひご覧下さい…! (2021年6月1日 21時) (レス) id: 551d67bbc3 (このIDを非表示/違反報告)
JUMPLOVE - 久しぶりに山田さんの病系を読もうと思ったら、またまたゆりあさんが素晴らしいお話を…!!だいぶ遅くなってしまいましたが、イケメン兄貴・有岡さんとツンデレ・山田さんにやられました…もうほっぺゆるゆるです!!笑 次のお話も楽しみに待ってます!( ´∀`) (2021年3月29日 0時) (レス) id: 8ab2b29f53 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりあ(プロフ) - JUMPLOVEさん» ありがとうございます…!!病系以外のこともお褒めいただいて光栄です(;;) 私の書くありやまちゃんを「大好き」と言っていただけるなんて…うぅ、これからも頑張ります(;;) (2021年2月8日 11時) (レス) id: 551d67bbc3 (このIDを非表示/違反報告)
JUMPLOVE - これ以上有岡さんがイケメン兄貴への道を進んでしまったら私は正気でお話を読める自信がありません(めちゃくちゃ褒めてます)。ゆりあさんの書く有岡さんが大好きなんです…!!これからもっと進化するのかと考えたらもうワクワクが止まりません!!(´∀`=) (2021年1月30日 17時) (レス) id: 8ab2b29f53 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりあ(プロフ) - にゃんこさん» ありがとうございます……!頑張ります(;_;) (2021年1月19日 23時) (レス) id: 551d67bbc3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ゆりあ | 作成日時:2021年1月8日 21時